あなたがWordPressの効果的なSEO設定を求めているのならば、このマニュアルはうってつけです。
WordPressブログを検索エンジンに最適化するための内部設定と、その設定に役立つプラグインを解説しています。
上位表示を目指すブログ初心者だけでなく、CMSとして活用するウェブ担当者も必見です。
1. Yoast SEO プラグインをインストールする
WordPressのSEO対策において、プラグインのYoast SEOをインストールすることは最優先事項です。
なぜなら、基本となる設定の多くをこの無料プラグインで実践することができるからです。All in One SEO pack や Ultimate SEO などの類似プラグインもありますが、現状で最も機能的で拡張性が高いのはYoast SEOです。
Yoast SEOをインストールすると、左サイドメニューに[SEO]のオプションが表示されます。
これで準備完了です。ここでYoast SEOの詳細は省略しますが、この記事の項目をこなしていけば自然と基本設定をすることができます。
なお、この記事ではYoast SEO以外にも様々なプラグインを解説していきますが、プラグイン名に張られたリンクはプラグインの公式HPではなく、プラグインの使い方を解説した外部ページです。
2. パーマリンクを設定する
記事のURLとなるパーマリンクの設定は、[投稿名]に設定します。[設定]の[パーマリンク設定]から、[投稿名]を選択します。
パーマリンクには日付やカテゴリーなども含めることができますが、特別な戦略や意図がない限りは[投稿名]がおすすめです。[投稿の編集]で具体的なURLを編集することができます。
URLは、ターゲットとなるキーワードを含んだ2~5ワードの短いURLにします。
なお、コンテンツが既にたくさんある場合のパーマリンク設定の変更は、リダイレクト設定のプラグインを使用する方法が簡単です。(面倒は面倒です。)
3. ”www”のあり・なしを統一する
URLの”www”の有無は、SEO的にどちらが有利であるということはありませんが、Googleに正しいURLを伝えることは基本です。
[設定]の[一般]をクリックして、[WordPress アドレス (URL)]と[サイトアドレス (URL)]に、表示させたいURL(”www”の有無)を入力します。次に、Google Search Consoleの[ダッシュボード]を開いて、右上のメニューから[サイト設定]をクリックします。
使用するURLを選択して保存してください。
4. HTTPS (SSL/TLS)化する
2014年にGoogleは、HTTPS (SSL/TLS)を検索順位を決定するアルゴリズム(#11)として使用することを発表しました。
GoogleがHTTPS化したウェブサイトを評価していく姿勢を明確にしている以上、いずれ行わなくてはならない作業です。
ただし、初心者にとっては難しい作業が多くありますので、次の記事を読んで理解できる人だけ移行してください。
5. タイトルタグを最適化する
タイトルタグはSEOの内部対策で最も重要な要因の1つです。検索結果にダイレクトに反映されるため、Googleにも検索ユーザーにも効果的なタイトルにしなくてはなりません。
タイトルにキーワードを含めることはもちろんですが、検索結果に表示されるタイトルタグ全体の構成を設定します。Yoast SEOの[タイトル & メタ]をクリックして、[投稿タイプ]を選択します。
上記画像では「%%title%%」のみになっていますので、検索結果にはタイトルのみが表示されます。しかし、変数を組み合わせると様々な構成にすることができます。
たとえば、「%%title%% %%sep%% %%sitename%%」のように変数を組み合わせます。
そうすると、次のように投稿のタイトルとサイト名を表示させることができますので、サイト名のブランディングに力を入れている場合に役立ちます。
組み合わせることができる変数は、右上の[ヘルプ]をクリックして表示される[基本変数]で確認することができます。
構成に関しては、「投稿タイトル」のみか、「投稿タイトル+サイト名」が一般的です。
- %%title%% : 投稿タイトルのみ
- %%title%% %%sep%% %%sitename%% : 投稿タイトル+サイト名
なお、ここで「投稿タイトル+サイト名」を設定したとしても、各投稿の詳細設定で変更することができます。
そのため、タイトルの文字数が多い場合はサイト名を削るなどの対応が可能です。
タイトルタグ最適化のワンポイントレッスン
- メインターゲットとなるキーワードは、タイトルタグの先頭付近に配置する。
- ユーザーのクリック率を高めるために数字を使う。
- タイトルタグはH1タグで表示する。
6. メタディスクリプションを最適化する
スニペットに表示されるメタディスクリプションを最適化することは、検索結果のクリック率に大きな影響を与えます。
そのため、メタディスクリプションを設定しない・プラグインの自動生成に任せるなどの方法をとっている場合、検索ユーザーにアプローチすることができる貴重な機会を逃しているといえます。
メタディスクリプションは、投稿のYoast SEOの[メタ説明文]に記載することができます。
クリック率の高いメタディスクリプションを作成するために、アドワーズ広告からキーワードやフレーズを盗む方法(#4)がおすすめです。
7. 画像を最適化する
画像検索から訪れるユーザーは質の高いユーザーではありませんが、それでも貴重なトラフィックには違いありません。画像の内容をGoogleにきちんと伝えてあげましょう。
まず、画像のファイル名にターゲットキーワードや、画像を表現するキーワードを使用します。
次に、アップロードした画像に代替テキスト(altタグ)を設定します。altタグはGoogleだけでなく、目が見えない人に画像の内容を伝えることに役立ちます。
投稿に貼りつけた画像をクリックして、[編集]をクリックします。
8. XMLサイトマップを設定する
検索エンジンのためのXMLサイトマップは、検索順位に影響を与えるわけではありませんが、インデックスの促進やコンテンツの更新情報を伝えることに役立ちます。
Yoast SEOで設定しておけば半自動的に送信してくれますので、きちんと設定しておきましょう。Yoast SEOの[XML サイトマップ]にチェックを入れると、設定メニューが表示されます。
デフォルトの設定でも問題ありませんが、各メニューではサイトマップに含めたくないものを選択することができますので、必要に応じてカスタマイズしてください。
なお、Yoast SEOのサイトマップ機能を使用しない場合は、サイトマップ専用プラグインであるGoogle XML Sitemapsがおすすめで、より詳細な設定が可能です。
HTMLのサイトマップは必要なのか?
Googleのジョン・ミューラー氏によると、サイト訪問者のユーザビリティーのためにHTMLのサイトマップを作成することはいいことだが、SEOを目的に作成する必要はないと発言しています。
HTML sitemaps are fine, especially if they work for your site & users. Most sites don’t need them for SEO nowadays (we can crawl to every page normally and get support from an XML sitemap), so I wouldn’t go out of my way to create them.)
HTMLのサイトマップもPS Auto Sitemapで作成することができますので、ユーザーのためのサイトマップが必要だと判断した場合に導入してください。
9. パンくずリストを設定する
パンくずリストは、サイト訪問者のナビゲーションに役立ったり、Googleにサイト構造を伝えることを容易にします。
サイトのテーマによってはオプションで導入することもできますが、ない場合はプラグインのBreadcrumb NavXTで実装することができます。
なお、Googleはschema.orgを使用したパンくずリストのサポートを開始しましたが、初心者には難しい作業ですのであせる必要はないでしょう。
10. ページ速度を最適化する
ウェブサイトのコンテンツやプラグインが増加すると、ページ速度が遅くなってしまいがちです。ページの読み込み速度が極端に遅い場合、ランキングが低下するだけでなくサイト訪問者の離脱率が高まってしまいます。
そのため、次の方法でウェブページの表示速度を高める施策を行うことが効果的です。(モバイルページを高速表示させるAMPについてはこちら。)
- EWWW Image Optimizerで画像ファイルを圧縮する。
- Above-the-fold(スクロールしないで見ることができる画面)から不必要な画像を取り除く。
- 不必要な画像をメディア自体から削除する。
- Head cleanerでjavascriptやCSSを最適化する。
- Photon(CDN)でデジタルコンテンツの負荷を分散する。
- W3 Total Cacheでウェブページをキャッシュする。
- エックスサーバーなどの高機能サーバーを使用する。
- WP-Optimizeで定期的にデータベースを最適化する。
- トップページに記事の全文ではなく、概要のみを表示する。
- [設定]の[ディスカッション設定]で、ピンバックとトラックバックを使用不可にする。
11. サイドバーを最適化する
アフィリエイトサイトのサイドバーのように、たくさんのリンクを貼ることはSEO的に好ましくありません。
特に相互リンクのような無意味な外部リンクは、相手の為にならないばかりか、あなた自身の評価を下げる可能性があります。
必要な情報・リンクだけを掲載して、不要なものは全て取り除いてください。(月別アーカイブが本当に必要ですか?)
海外サイトの新しい傾向としては、サイドバーのウィジェットをホームページ(フロントページ)のみに表示させて、各投稿にはサイトバーを表示しないデザインを取り入れているサイトが増えてきました。
検索順位に影響を与えているのかはわかりませんが、ユーザーの視線をコンテンツに集中させることに役立っていることは間違いないので試してみるのもいいかもしれません。
12. 重複コンテンツを”noindex”にする
Googleは重複しているコンテンツをインデックスすることを嫌いますが、WordPressは記事を投稿すると自動的に様々なアーカイブを生み出します。
重複しているコンテンツを”noindex”設定にして、インデックスさせないようにしましょう。Yoast SEOの[タイトル & メタ]から[アーカイブ]をクリックします。
次に、[タイトル & メタ]から[その他]をクリックして、[アーカイブのサブページをnoindexにする]にチェックを入れます。
設定を保存して完了です。
13. ページ番号を設定する
ページ番号(ページネーション)を設定することで、Googleのクロールを容易にします。
使用しているテーマやフレームワークによっては設定で表示させることができますが、WP-PageNaviでも実装することができます。
なお、ECサイトのようにページネーションしたページが低価値の場合は、2ページ目以降をnoindex設定にしましょう。
14. 関連記事へリンクする
過去のコンテンツのトラフィックを増やす定番の方法は、関連記事として新しいコンテンツからリンクすることです。
まず、プラグインを使用して関連記事を表示する方法です。関連記事を表示させるプラグインはたくさんありますが、利用者が多いのはYet Another Related Posts Plugin (YARPP)です。
各投稿の末尾に関連記事を表示させることができます。
次に、手動でコンテンツ中から内部リンクする方法です。特定のキーワードに自動的に内部リンクをするプラグインもありますが、アンカーテキストが偏り過ぎるなどの問題もありますのでおすすめできません。
多様なアンカーテキストを手動で設定するのがおすすめです。
15. 不必要なタグを削除する
タグは基本的にSEOの助けにはなりません。タグが乱用されているウェブサイトを多く見かけますが、一度や二度しか使用していないような不必要なタグは削除するべきです。
海外SEO情報ブログでは、タグが引き起こしやすい問題を次のように指摘しています。
同じようなコンテンツが含まれるタグがたくさん作られ重複コンテンツに近いページができあがってしまう。
そのタグに含まれるコンテンツが1つ2つしかないと中身の薄っぺらいページができあがってしまう。
パンダアップデートに捕まってしまう可能性のある不必要なタグを削除して、タグ自体もnoindex設定にしてインデックスしないようにします。
Yoast SEOの[タイトル & メタ]の[タクソノミー]をクリックして、[タグ]の[Meta Robots:]にチェックを入れるだけです。
16. コメントスパムを防止する
コメント欄でユーザーと交流することは、SEO的にも素晴らしい効果があります。コンテンツに新しい独自の情報を追加することができるため、Googleのジョン・ミューラー氏もコメント欄でのディスカッションを推奨しています。
しかし、逆にスパムコメントを放置していると、サイトの評価を傷つけてしまいます。そのため、スパムコメントを自動的に防止してくれるAkismetを導入します。
Akismetはインストール後に無料APIキーを取得して設定すれば、あなたにサングラスを売りつけるようなコメントを自動的にブロックしてくれます。
17. 過去のコンテンツをツイートする
過去のコンテンツをプロモーションすることは、とても効果的なコンテンツマーケティングです。(なぜかとても軽視されていますが。)
なぜなら、あなたのトラフィックの大半が過去のコンテンツからもたらされるからです。
たとえば、バズ部の人気記事を見てください。
上位記事の投稿日は、2013年、2012年、2012年、2014年になっています。素晴らしいコンテンツは、情報を更新してプロモーションし続けることでトラフィックやリンクを集める源となります。
そして、プロモーションするシンプルな方法は、定期的にTwitterでツイートすることです。Revive Old Postを使用すれば、定期的に自動で古いコンテンツをツイートしてくれます。
フォロワーに嫌われない程度にツイートして、過去のコンテンツに光を当てましょう。
18. リンク切れを防止する
コンテンツ中のリンク切れは、Googleからの評価を損ねるだけでなく、ユーザーからの信頼も失います。リンク切れがたくさんあるコンテンツが、高く評価されるわけがありません。
ブログ内のリンク切れを自動でチェックして、リンク切れがあるとメールで通知してくれるBroken Link Checkerを導入します。ダッシュボード上でリンク切れの有無を確認できるようになります。
19. シェアボタンを設置する
FacebookやTwitterなどのソーシャルシェアは検索順位に影響を与えていませんが、バズや被リンクを生み出す大きな要因です。言うまでもなく、トラフィックとブランディングに役立ちます。
シェアボタンを表示させるプラグインはたくさんありますが、次のプラグインは利用者が多いものです。
WP Social Bookmarking Lightは「はてなブックマーク」のボタンがデフォルトでありますので、はてなブックマークを重視している人にはおすすめです。
個人的には、コンテンツの左にスクロールするタイプが効果的だと感じています。(#13)
NEXT STEP
WordPress の SEO ガイドはいかがでしたか?
次にあなたがするべきことは、実践するだけです。
宮 義明は、儲け学の運営者で宮行政書士事務所の代表です。儲け学は、海外の最新 SEO ・ウェブマーケティング戦略や、SEOツール「Smallsteps」を公開しているマーケティング情報サイトです。宮 義明は、マーケティング関連のウェブサイトを10年以上運営しており、そこで得た経験や情報を発信しています。著者情報の続きはこちら
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