コンテンツを適切に Google に伝えることができていますか?
ウェブページの内部対策は、SEO において常に一定の重要性を持ち続けています。なぜなら、どんなに検索アルゴリズムが進化しても、コンテンツの内容を検索エンジンに伝えることは基本かつ重要なプロセスだからです。
このガイドで解説する施策の1つ1つは小さな要因ですが、積み重ねることで検索順位やアクセス数に大きな違いをもたらします。検索エンジンからのアクセスアップを目指してぜひ活用してください。
SEO の内部対策とは
SEO の内部対策とは、Google などの検索エンジンで上位表示をしてトラフィックを得るために個々のページを最適化する施策です。具体的には、コンテンツ、HTMLソース、構造化データなどの最適化です。
一般的に SEO では、ウェブサイト運営者がコントロールできるサイト内部の施策を内部対策、被リンク獲得を目的としたリンクビルディングなどの外的要因に対する施策を外部対策と分類しています。
1. キーワードをタイトルタグの先頭付近に配置する
ウェブページのタイトルを表すタイトルタグに、メインターゲットとなるキーワードを含ませることは重要な基本施策です。約30文字以内のタイトルタグに、1~2つ程度のキーワードを使用します。
Googleは、タイトルタグの先頭付近のキーワードを重視する傾向にあります。全てのコンテンツの先頭にキーワードを使用する必要はありませんが、特に上位表示を狙っている記事やセールスのランディングページの場合は先頭付近に配置するべきです。
たとえば、競争が激しいビッグキーワードである”SEO”でGoogle検索した場合、上位表示されているページのタイトルタグの先頭は次のようになります。
ただし、最近はGoogleのセマンティック(Semantic)の向上によって、キーワードの完全一致に対する検索結果の影響が小さくなりつつあります。
つまり、タイトルにキーワードが含まれていないコンテンツでも、Googleがユーザーの検索意図を理解して検索結果に表示するということです。(動画は海外SEO情報ブログの鈴木さんがセマンティックを解説しています。)
なお、タイトルタグは基本的にH1タグで表示します。WordPressサイトの場合はほとんどのテーマではデフォルトでH1タグに設定されていますが、一部のテーマでは異なる場合もあるようです。
HTMLソースをチェックして、タイトルタグを確認してください。
2. キーワードを含んだ短いURLにする
URLは、メインキーワードを使用してコンテンツの内容を表現した5ワーズ程度のものにします。
Googleのマット・カッツ氏は、URLは5ワーズ以内が自然で、それ以上長いとURLのキーワードを重視しなくなると発言しています。
Matt Cutts: Certainly. If you can make your title four- or five-words long – and it is pretty natural. If you have got a three, four or five words in your URL, that can be perfectly normal. As it gets a little longer, then it starts to look a little worse. Now, our algorithms typically will just weight those words less and just not give you as much credit.
さらにMarketing Sherpaによると、SERPsで短いURLは長いURLよりも2.5倍クリックされます。
実際に、上位表示されているページのURLは下位ページよりも短い傾向にあります。そのため、海外のオーソリティーサイトの多くは、URLにカテゴリーや日付を含んだURLではなく、シンプルなURLを採用しています。
WordPressのURL編集はかんたんです。[設定]の[パーマリンク設定]で、[投稿名]を選択します。
そして、[投稿の編集]の[パーマリンク設定]で編集するだけです。
3. コンテンツをマルチメディア化する
コンテンツに画像、動画、インフォグラフィックなどを使用してマルチメディア化することは、ユーザーのサイト内滞在時間の上昇や、直帰率の減少を期待できます。
Googleはアルゴリズムに利用していないと言っていますが、ランキングが上位のコンテンツほど直帰率が低い傾向にあります。
直帰率
「直帰」とは、サイトを訪れた人が他のページを見に行くことなく、そのサイトを離れることをここでは意味します。したがって、直帰率 とは、直帰するサイト訪問者の割合を示します。つまり、直帰率が高いということは、サイトを訪れたもののすぐに離れていったユーザーが多いということなので、サイトのコンテンツが魅力的ではないと捉えることができます。サイト内の各ページの直帰率を調べることで、パフォーマンスの低迷しているコンテンツを特定したり、改善が必要と思われる箇所を発見したりするのに役立つでしょう。
ユーザーが訪れてもすぐに去ってしまうサイトを、Googleが高く評価するわけがありません。直帰率をランキング要因として使用しているか、それに近い指標を使用しているのは間違いないでしょう。
サイト内滞在時間を増やし直帰率を下げる方法としては、今やコンテンツマーケティングに欠かせない動画をはじめ、画像、インフォグラフィック、図表、スクリーンショットなどを活用することが効果的です。
特に画像の使用は必須といえます。skywordによると、コンテンツ内に画像が1枚でもあると記事のページビューが94%増加します。
さらに、Buzzsumoによるとコンテンツにインフォグラフィックを使用すると、通常のコンテンツよりも2倍のソーシャルシェアを獲得することができます。
こうした付加価値を積み重ねることが、コンテンツSEOの一歩といえるでしょう。
4. 外部のサイトへリンクする
コンテンツテーマに関連する外部サイトへリンクすることは、とてもかんたんにできるホワイトハットSEOです。Googleにコンテンツの内容を伝えることに役立つだけでなく、質の高い情報源であるとアピールすることができます。
SEMリサーチでは、外部リンクについて次のように述べています。
権威性のある優れたサイトを運営するものは、来訪者に提示する外部へのリンクも十分な検討を重ねて選択を行っているはずだから、外部へのリンクの全体的な品質が担保されたサイトは、そのサイトの品質を判断する材料になりうる。
つまり、優れた情報を提供するオーソリティーサイトへリンクすることは、あなたのウェブサイトの質を高める要因になりうるのです。
「外部サイトへリンクすることはダメだ!」という間違った迷信を信じてはいけません。たとえ上位表示を争うライバルであっても、必要ならばリンクをするべきです。
5. 内部リンクを散りばめる
1つのコンテンツに2~5つ程度の内部リンクを設置することで、直帰率の減少やクローラビリティの改善を期待できます。
特にコンテンツのはじめの方に内部リンクを設置すると、直帰率の減少に役立ちます。直帰率の減少がランキングに好影響を与えることは前述の通りです。
直帰率が低いサイトとして有名なWikipediaは、内部リンクが直帰率改善に役立つことを証明する最高のサンプルです。Wikipediaでトピックを読んでいるときに、リンクをクリックせずにページを閉じたことがありますか?
また、内部リンクはGoogleのクローラビリティを向上させることができます。
クロールは、Googlebot が Google のインデックスに追加する、新しいページや更新されたページを検出するプロセスです。
クローラビリティを改善することで、あなたの新しいコンテンツを素早くGoogleに知らせることができるだけでなく、検索エンジンからのトラフィック増加を期待できます。
コンテンツとクローラビリティを改善した結果、検索エンジンからのトラフィックが30日間で455%も増加した事例もあるほどです。
6. はじめの200文字以内にキーワードを使用する
記事のはじめから200文字以内のイントロダクションに、ターゲットキーワードを使用します。タイトルタグと同様に、Googleにキーワードとコンテンツの内容を伝えることが目的です。
特にこだわった文章構成でなければ自然に使用していますが、キーワードがなかなか登場しない記事も意外と多く見かけます。
また、イントロダクションはサイト訪問者を引き留める最大のチャンスです。ユーザーが記事を読むかどうかが、イントロダクション次第といっても過言ではありません。
簡潔な文章は、コンテンツの読みやすさを58%高めることができます。イントロダクションを短く簡潔にまとめましょう。
7. ページの読み込み速度を高める
ページの読み込み速度は、内的SEOでも重要な要因でランキングに大きな影響を与えています。上位表示されているサイトほど読み込み時間が早い傾向にあります。
MunchWebによると、ページの読み込み速度が4秒を超えると75%の人が再訪問してくれません。
75% of people would not return to websites that took longer than 4 seconds to load.
aykiraのデータによると、ユーザーの47%が2秒以内の表示を期待しており、3秒以上かかると57%がサイトを去ってしまいます。
A disproportionately high 47% of users expect your web page to load in under two seconds.
Again, a disproportionately high 57% of your website visitors will abandon your page if its load time is 3 seconds or more.
つまり、サイトの表示速度を高めることは、Googleにもユーザーにも効果的な施策ということです。2秒以内が最低限の目標です。
ページの読み込み速度は、GTMetrix.com、PageSpeed Insights、pingdomなどのツールで計測することができます。
ページの読み込み速度を高める方法としては、次のような方法があります。
- 高機能サーバーを使う。
- 画像を圧縮する。
- CSSを外部化する。
- Javascriptを最適化する。
- CDN(コンテンツデリバリネットワーク)を使う。CloudFlareやjetpackなど。
- キャッシュ系プラグインを使う。W3 Total CacheやWP Super Cacheなど。
最も確実な方法は、サーバーやCDNにコストをかけることです。儲け学はエックスサーバーを利用していますが、とてもコストパフォーマンスに優れたサーバーで多くの企業が利用しています。
8. ソーシャルシェアボタンを設置する
Googleのマット・カッツ氏は、Twitter、Facebook、Google+などのSNSは今のところ順位決定に直接影響を与えていないと発言しています。
しかし、ソーシャルシェアの獲得によって多くの人の目に触れることは、アクセスや被リンク獲得の可能性を高めます。そのため、ソーシャルシェアボタンをユーザーにクリックしやすい場所に設置する必要があります。
儲け学は、デスクトップ表示では記事の左部にスクロール型ボタンを使用して、モバイル端末では記事下に表示しています。
画面の左に表示するのは、ユーザーはウェブページを”F”の形で読むため、左部分は最も多く見られるポイントだからです。
スクロール型を使用しているのは、スクロール型のボタンを設置したことでソーシャル経由のトラフィックが27%も増加した Quick Sprout の事例を参考にしています。
モバイル端末では記事下に表示しているのは、画面が小さい端末でスクロール型のボタンを使用すると、コンテンツが見づらくなるためです。見づらいコンテンツはシェア以前に、コンテンツを最後まで読んでもらえません。
シェアボタンの効果的な設置場所は、各サイトによって異なる可能性もあります。スプリットテストであなたのサイトにとってもっとも効果的な設置場所を探し出してください。
9. コンテンツの情報量を増やす
コンテンツ量が多いほど上位表示されやすく、ソーシャルシェアを多く獲得できる傾向にあります。
SERPIQ.com の分析では、上位表示されているサイトの文字数が多い傾向が一目瞭然です。上位サイトの文字数と比較すると、明らかに下位サイトの文字数が少なくなっています。相関関係を抜きに考えても見逃せないデータです。
文字数は英語でのワード数を表しています。1ワードを2.6文字と日本語に換算すると、単純計算で5200字以上となります。
また、BuzzSumoのデータによると、日本語に換算で7800文字~26000文字のソーシャルシェア数が圧倒的に多いことがわかります。
詳細な情報によってコンテンツ量を増加させてテーマを深く掘り下げると、自然とロングテールキーワードのアクセス数が増加します。この傾向は、2011年のパンダアップデート以降に顕著になっています。
次のグラフのように、ウェブサイトのトラフィックの多くが、ビッグキーワードではなくロングテールキーワードからもたらされるSearch Engine Journalのデータを考慮すると、文字数が多いコンテンツを投稿することは大きなメリットがあります。
10. 画像を最適化する
画像検索からのトラフィックは、直帰率が高い価値の低い訪問者が多い傾向にあります。しかし、どんなユーザーでも大事にしなくてはなりません。
まず、画像のファイル名にキーワードを使用します。たとえば、パーマリンク設定の画像には、”permalink”というキーワードをファイル名にします。
次に、画像ファイルのサイズを縮小・圧縮して、サイトの読み込み時間を増加させないようにします。必要な画像サイズにあらかじめ縮小してからファイルをアップロードしたり、JPEGMiniやプラグインのEWWW Image Optimizerを使用してファイルサイズを圧縮します。
最後に、画像を表現したタイトルとaltテキスト(代替テキスト)を設定します。Googleに画像の内容を伝えるだけでなく、画像を表示できない場合にも役立ちます。
タイトルとaltテキストは基本的に同じで問題ありませんが、過剰にターゲットキーワードを使用しないように注意してください。
11. LSIキーワードを使用する
LSIキーワードとは関連語や共起語を意味しており、コンテンツの内容をGoogleに理解してもらうことに役立ちます。コンテンツテーマのキーワードだけでなく、Googleがそのキーワードと関連性が高いと判断しているキーワードをコンテンツに使用することで、コンテンツの内容をより詳細に伝えることができます。
厳密にいえばGoogleはLSI(Latent Semantic Index)という名前の技術を使用していませんが、似たシステムを使用してコンテンツの内容を把握しています。
たとえば、”コンテンツマーケティング”というキーワードで検索すると、検索結果の最下部に”関連する検索キーワード”が表示されます。
Googleが関連性が高いと判断しているこれらのキーワードをいくつか使用することで、トピックがコンテンツマーケティングであること強く訴えることができます。
その他にLSIキーワードを探す方法としては、UberSuggestでGoogleのサジェストキーワードから探すのも効果的な方法です。
12. メタディスクリプションを最適化する
スニペットに表示されるメタディスクリプションは、ユーザーのクリック率に大きな影響を与えます。
Survey Monkeyによると、ユーザーの43.2%がメタディスクリプションに基づいてクリックするかどうかを判断しています。
In our upcoming search behavior study in cooperation with SurveyMonkey we’ve found that 43.2% of people click on a given result due to the meta description.
つまり、ユーザーがクリックしたくなるような100文字程度のメタディスクリプションを作成することは、人にも検索エンジンにも効果的な施策です。メタディスクリプションに欠かせない要因は次の通りです。
- メインキーワード
- サブキーワード
- LSIキーワード(関連キーワード)
- ユーザーのクリックを促すキーワード・フレーズ
3つ目まではすぐに設定できますが、ポイントは「ユーザーのクリックを促すキーワード・フレーズ」です。検索結果を見たユーザーが、ついクリックしたくなるようなキーワード・フレーズを使用することが効果的です。
そこで役立つのがアドワーズ広告です。クリック率を高めるためにテストを繰り返しているリスティング広告で使用されているフレーズは、クリックを誘発する魔法のスイッチです。
たとえば、入札単価がとても高い”クレジットカード”で表示されるアドワーズ広告を見ると、”比較”や”検索”というキーワードが頻繁に使用されているのがわかります。
つまり、これらのキーワードを使用することで、クリック率を高める可能性が高いということです。あなたのキーワードに関連するアドワーズ広告で繰り返し使用されているキーワードやフレーズを探し出してください。
13. モバイルフレンドリー・レスポンシブデザインにする
2015年の4月からGoogleはモバイルフレンドリーかどうかをランキング要因として使用しています。そしてその対応策としてウェブサイトにレスポンシブデザインを導入することを推奨しています。
つまり、モバイル端末に最適化していないサイトは、ランキングが低下して多くのアクセスを失うことを意味しています。次の表は、モバイルからのトラフィックを大幅に失ったアメリカのオーソリティーサイトです。オーソリティーサイトであってもモバイルに対応しなければ悲惨な結果がまっているのです。
モバイルフレンドリー重視の傾向は強まっており、2016年5月にはモバイルフレンドリーの有無がランキングにさらに強く影響することを公式に発表しました。
まずは、モバイルフレンドリーテストで、自サイトがモバイルフレンドリーかチェックしましょう。
もし対応していない場合は、モバイルガイドを参考にして最適化の作業を始めます。なお、モバイルからアクセスを重視するならば、AMPの導入も検討するべきポイントです。
14. HTTPS (SSL/TLS) 化する
Googleは、HTTPSを検索順位を決定する要因として導入しています。
このランキングの変更は、グローバルでクエリの 1% 未満にしか影響しませんが、これから長い期間をかけて強化していきます。全体的に見ると、このシグナルは良質なコンテンツであるといった、その他のシグナルほどウェイトは大きくありません。HTTPS は、優れたユーザー エクスペリエンスを生み出す多くの要素のうちの 1 つです。
HTTPS化のランキングへの影響力はわずかですが、もしあなたがこれからサイトを開設するならば、間違いなくHTTPS化することはSEOにとってポジティングな要因です。
しかし、既存サイトのHTTPS化は、大きな労力を必要とするプロジェクトです。移行にともない一時的にトラフィックが減少する可能性が高く、技術的な不具合によって被リンクの引継ぎに失敗する可能性すらあります。
Googleが推奨する方法を参考にして慎重に移行して下さい。
内部対策SEOを実践するために
解説したSEOテクニックを実践するためのチェックリストを作成しました。コンテンツ作成時に、人にもGoogleにも最適化できているのかを確認するためのシンプルなチェックリストです。
記事ではご紹介していないテクニックも含まれていますので、下の画像をクリックしてダウンロードしてください。
freeway1118 says
これから初めてサイトを作る予定で、とても参考になりました!このページは何度も見ると思います。
宮 義明 says
お役に立てて何よりです!はじめてのサイトが完成したらぜひ教えてくださいね!
お菊 says
サイトを立ち上げ早1か月、知らないことだらけで目から鱗です。
学ぶ内容が大変たくさんありますが、1つ1つできることからやっていこうと思います。
私が直接ライティングをすることはあまりないのですが、ライターさん方にも共有できるように頑張っていこうと思います。
宮 義明 says
コメントありがとうございます!
コンテンツの内部対策は小さな施策の積み重ねですが、検索結果に大きな違いをもたらします。
ぜひ実践してみてください。
うえ says
とても参考になりました。やはり記事内容が重要ですよね…より深く掘り下げて、内容を伴った文字数にしようと思いました。有難うございます。
宮 義明 says
ありがとうございます。
ユーザーを第一に考えた詳細なコンテンツを提供することは、SEO の重要なポイントですね!
ちなみに、SEMrush の2017年末の研究データでは、上位表示しているコンテンツの文字数が多い傾向が依然として継続しています。