Google で上位表示されるコンテンツを作れる人と、作れない人の違いは何でしょうか?
もしあなたが「作れない人」ならば、この事例研究が役立つはずです。
なぜなら、この SEO 事例では、7日間で Google 検索からのトラフィックを 652% 増加させたからです。
しかも、たった3つのステップです。
そこで今回、そんな驚きの成果をあげた事例の解説と考察を行います。
今回の SEO 事例の主役
今回、取り上げる SEO 事例は、BACKLINKO の「SEO 事例: 7日間でオーガニックトラフィックを 652% 増加させた方法」です。
BACKLINKO は、有名な SEO 専門家の ブライアン氏(Brian Dean)が Semrush と共同運営する人気マーケティングサイトです。
ブライアン氏が直面した SEO の問題とは?
ブライアン氏が直面した SEO の問題は、次のような背景から生まれました。
- SEO のチェックリストがテーマのコンテンツを公開した。
- 公開直後から素晴らしい反応を得て、被リンク、SNS のシェア、ブログへのコメントを大量に獲得した。
- 数週間後に、Google でトップ10に入った。
- しかし、時間が経つにつれてオーガニック トラフィックが減少した。
- ページの順位は2ページ目の真ん中あたりまで落ちた。
素晴らしい成果を得て上位表示に成功したはずのコンテンツは、なぜランキングが下がってしまったのでしょうか?
解決策を導き出したヒントとは?
ブライアン氏は、問題を解決するために検索品質評価ガイドラインや検索アルゴリズム(RankBrain)を見直しました。
その結果、コンテンツがユーザーの検索意図を満たしていないために、パフォーマンスが落ちた可能性が高いと推測しました。
検索意図とは?
検索意図とは、ユーザーが検索エンジンにキーワード(クエリ)を入力する際に持つ目的です。ユーザーの検索意図を満足させる検索結果を表示することが、Google の最も重要な目標です。
検索意図の一般的なタイプには、情報、案内、商業、取引などがあります。(詳細はキーワード選定ガイドへ)
補足:RankBrain とは?
RankBrain はマシーンラーニングで、新しいクエリやロングテールキーワードに強く影響を与える単独のシグナルです。検索順位を決定するスコアに影響します。
問題を解決した SEO テクニックとは?
ブライアン氏は、The Skyscraper Technique 2.0 と名付けた3ステップの SEO テクニックを使用しました。Skyscraper は、高層ビルや摩天楼を意味しています。
次は、ユーザーの検索意図に最適化するために、ブライアン氏が行なったテクニックの概要です。
ステップ1. ユーザーの検索意図を把握する
- ユーザーの検索意図を把握するために、Google の検索結果の上位ページを分析した。
- 検索上位ページは、検索意図を満たしている可能性が非常に高いため。
- 最大のポイントは、検索結果がどのような検索意図を満たすものなのかを把握すること。
- 何の情報を求めている?
- キーワードが、情報、案内、商業、取引のどのタイプに分類されるのか?
ステップ2. ユーザーの検索意図をコンテンツに反映する
- ステップ1の分析で得た情報をコンテンツを反映した。
- 上級者向けの内容から、初心者向けの情報変更した。
- ユーザーは、基本的な情報を求めていたため。
- フォーマットを、事例形式からチェックリスト形式へ変更した。
- ユーザーは、事例ではなく実用的なチェックリストを求めていたため。
- 上位ページにはあるが、自らのページにはない不足している情報を加えた。
- 上位ページは、広範囲な情報を網羅していたため。
ステップ3. ユーザーエクスペリエンスを最適化する
- サイトに訪れたユーザーを満足させるために、ユーザーエクスペリエンスの最適化を行なった。
- 特に、サイト滞在時間の増加、オーガニック クリック率の向上、直帰率の減少を目標とした。
- コンテンツに動画を利用
- 動画があるページは、ないページよりも滞在時間が増える。
- 投稿のトップに目次を設置
- 検索結果でサイトリンクが表示されるので、オーガニック クリック率が向上する。
- イントロを簡潔で魅力的に
- 長くつまらないイントロダクションは、ユーザーがすぐに離脱してしまう。
- 見出しの活用(H2、H3)
- 見出しは、コンテンツを読みやすくする。
- 短い段落
- モバイルユーザーを考慮すると、短い文章が最もコンテンツを読みやすくする。
The Skyscraper Technique 2.0 によって得られた成果
これらの取り組みによって、コンテンツのパフォーマンスは次のように改善しました。
7日間でオーガニックトラフィックが 652% 増加しました。
キーワードのランキングは、11位から5位に上昇しました。
同じテクニックを使用したしたコンテンツは、ランキングで1位を獲得しました。
2023年におけるページの状況は?
2023年3月時点で、ページの状況は次のようになっています。
ターゲットキーワードの検索順位は、4位をキープしています。他の関連キーワードも上位表示しています。
さらに、たくさんの被リンクを獲得しています。
これらのデータは、このテクニックが付け焼き刃ではないことを示しています。
この事例からわかる重要なこととは?
どんなにリンクやソーシャルシェアを獲得しても、ユーザーの検索意図と合わないコンテンツは上位表示できない! クリックしてツイートする考察:試して気が付いた3つのポイント
次は、The Skyscraper Technique 2.0 への考察です。
実際にこの SEO テクニックを試す過程で、効率化できるポイントがあることに気がつきました。
1. 検索意図の把握は具体的なポイントを明確にすべし!
このテクニックのはじめの一歩は、ユーザーの検索意図を把握するための上位ページ分析です。
ブライアン氏は、ユーザーが求めている情報や、キーワードのタイプを分析するように指示しています。
しかし、私は次のポイントを確認することで、より検索意図を把握しやすいことに気がつきました。
a. コンテンツのタイプは何か?
上位ページが、どんな種類のコンテンツかを調べます。
- ブログ
- 製品・商品ページ
- カテゴリページ
- ランディングページ
- 動画
- etc
b. コンテンツのフォーマット(形式)は何か?
上位ページが、どのような情報を伝えているかを調べます。
- ハウツー
- チュートリアル
- リスト
- 意見
- 事例
- 決済
- etc
ちなみに、Semrush のキーワード分析を使用すると、キーワードの目的を簡単に調べることができます。
c. コンテンツの対象は誰か?
上位ページは、誰をメインターゲットとしているかを調べます。具体的であるほど検索意図にマッチしやすくなります。
- 初級者
- 中級者
- 上級者
- etc
実例:実際に分析してみよう!
実例として、「スマートウォッチ おすすめ」というキーワードの上位ページを分析してみます。
前述のポイントを考慮して分析すると、次のような分析結果を得られました。
- コンテンツのタイプ
- ブログ ― テキスト主体で情報を提供。
- コンテンツのフォーマット
- ハウツーとリスト ― スマートウォッチの意味、選び方、リスト形式の製品比較 、販売ページへのリンクで構成されている。
- コンテンツの対象
- 初級者 ― 初めてスマートウォッチを購入する人。
2. 分析結果はコンテンツのアウトラインに利用すべし!
2つ目のステップでは、分析したキーワードの検索意図に基づいてコンテンツを作ります。
この際、前述のようにコンテンツのタイプやフォーマットをあらかじめ分析しておくと、アウトラインの構築が簡単です。
たとえば、上記のメモを活用しただけでも、次のようにアウトラインを作ることができます。
- オープニング
- スマートウォッチとは?
- スマートウォッチの選び方
- スマートウォッチの製品比較
- クロージング
3. 上位ページよりも優れたコンテンツを作成すべし!
最後のステップでは、ユーザーを満足させるためにユーザーエクスペリエンスの最適化を行います。
しかし、実際に行っていることは、上位ページよりも優れたコンテンツを提供するための内部対策です。
このテクニックでは、内部対策がとても重要です。
なぜなら、ステップ1と2を行なっただけでは、ただの上位ページのコピーに過ぎないからです。ユーザーに上位ページよりも優れた価値を提供しなければ、Google があなたのページを上位にランクする理由がありません。
そのため、まずは基本の内部対策の徹底です。内部対策については、次のガイドとチェックリストを活用してください。
そして、競合サイトと違いを生み出すのが動画の活用です。
なぜなら、動画はユーザーの滞在時間を増やすからです。WISTIA によると、人は動画があるページでは、ないページよりも平均1.4倍の時間を費やします。
さらに、テキストベースのコンテンツに動画を組み合わせているページは少ないので、上位ページにはない独自の価値としても期待できます。
YouTube に動画を投稿して、その動画をコンテンツにも活用すれば一石二鳥です。
人は動画があるページでは、ないページよりも平均1.4倍の時間を費やす。 クリックしてツイートする考察:どのような場合に使用するべきか?
ブライアン氏は、この SEO テクニックを既存のコンテンツに使用しています。そのため、パフォーマンスが良くない既存コンテンツの見直しに活用するのは当然です。
たとえば、Google Search Console や Semrush などのツールを使用して、検索順位が11位以下のキーワードに該当するページを調べます。
Semrush のオーガニック検索分析でウェブサイトを検索すると、ランキングしているキーワードと検索順位を表示します。
これらのページから優先的に実践することで、トップ10にランキングされるページ数を増やすことができます。
また、さらに私が強くおすすめしたいのは、新しくコンテンツを作る場合に活用することです。
新規コンテンツの準備段階で検索意図を把握しておけば、検索意図に合わないコンテンツを未然に防ぐことができるからです。
結論
ブライアン氏の The Skyscraper Technique 2.0 の事例研究、考察を行いました。このテクニックは、検索意図の分析と内部対策を組み合わせたものです。
検索意図を理解したうえで、いかに上位ページよりも優れたコンテンツを提供するかというポイントが重要です。そのため、内部対策の理解が必要なテクニックといえます。
いずれにせよ、検索意図に合うコンテンツを提供することが、上位表示を目指すうえで重要なことを再認識できる事例です。
私の結論としては、このテクニックは既存コンテンツの改善だけでなく、新しいコンテンツの作成時にも導入するべきプロセスだと考えています。
あなたはどのように考えますか?
検索意図を理解したうえで、いかに上位ページよりも優れたコンテンツを提供するかというポイントが重要 クリックしてツイートする宮 義明は、儲け学の運営者で宮行政書士事務所の代表です。儲け学は、海外の最新 SEO ・ウェブマーケティング戦略や、SEOツール「Smallsteps」を公開しているマーケティング情報サイトです。宮 義明は、マーケティング関連のウェブサイトを10年以上運営しており、そこで得た経験や情報を発信しています。著者情報の続きはこちら
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