もし、あなたのウェブサイトが Google のコアアップデートによって大きな影響を受けたならば、リカバリするための決定的な解決法は存在しません。
なぜなら、コアアップデートは一つの要因をターゲットにしたアップデートではないからです。
あなたのサイトの検索順位を下落させて、オーガニックトラフィックを減少させているのは、複数の要因によって引き起こされている可能性が高いのです。
そのため、このガイドでは、コアアップデートの影響を受けたサイトの事例を調査して、リカバリに成功したサイトが行った施策をまとめています。
リカバリに成功したサイトが行ったプロセスを見直すことで、あなたのサイトの問題を発見することに役立つはずです。
- Google コアアップデートとは?
- コアアップデートの影響を受けたのかを確認する方法
- Google が推奨するコアアップデート対策
- 事例から学ぶコアアップデートのリカバリ・対処法
- 日常的に行うべきコアアップデート対策
Google コアアップデートとは?
Google のコアアップデートとは、 定期的に実施される大規模な検索アルゴリズム(コアアルゴリズム)の変更です。Google 検索と Google Discover のランキングに大きく影響を与えます。
Google 検索セントラルブログの「Google のコア アップデートについてサイト所有者が知っておくべきこと」では、コアアップデートを次のように説明しています。
Google では年に数回、検索アルゴリズムとシステムに重要かつ大規模な変更を加えており、このような変更を「コア アップデート」と呼んでいます。コア アップデートは、全体として、関連性と信頼性の高いコンテンツを検索ユーザーに提供するという Google の使命を果たすことを目的としています。また、コア アップデートは Google Discover に影響する場合もあります。
また、Pubcon Pro Las Vegas 2019で Google の Gary Illyes 氏は、コアアルゴリズムを “Baby Algorithm”(赤ちゃんアルゴリズム)の集合体と表現しています。
アルゴリズムはいくつものコードで構成されています。その中で最小の働きを持つ 1 行のコードは言わば “Baby Algorithm”(赤ちゃんアルゴリズム)であり、コア アルゴリズムは何百万という Baby Algorithm の集合体で構成されています。
つまり、かつてのペンギンアップデートやパンダアップデートのような特定の要因をターゲットしたアルゴリズムの変更ではなく、検索システム全体の変更を意味しています。
Google コアアップデートの歴史・変遷
Google のコアアップデートは、2018年3月に Google SearchLiaison で初めて発表されました。
Google は、毎日検索結果の改善を目的とした1つまたは複数の変更を発表しています。その中には、特定の改善に焦点を当てた変更もあります。広範囲にわたる変更もあります。先週は、幅広いコアアルゴリズムの更新を行いました。このようなアップデートは、年に数回、定期的に行われます。
そして、2019年6月の “June 2019 Core Update” から、ロールアウト前日に事前告知されました。これ以降、アップデートの実施前に Google SearchLiaison でアナウンスする形式が続いています。
Google SearchLiaison の事前告知の内容は、基本的にいつも同じです。開始時期、展開期間、 コアアップデートの参考記事へのリンクです。アルゴリズムの性質上当然ともいえますが、アップデートの具体的な内容に言及したことはありません。
なお、こちらに過去のコアアップデートの歴史をまとめています。アップデートの時期と、ウェブサイトのランキングが下落したタイミングを照らし合わせるなどの用途で活用してください。
ウェブサイトがコアアップデートの影響を受けたのかを確認する方法
ウェブサイトがコアアップデートの影響を受けたのかどうかを確認する場合、Google Analytics、Google Search Console、Panguin Tool などが役立ちます。
a. Google Analytics でオーガニックトラフィックを調べる
Google Analytics で、コアアップデートのリリースから2週間程度におけるオーガニックトラフィックの変動を調べます。通常、コアアップデートの展開には2週間程度かかるためです。
Google Analytics > 行動 > サイトコンテンツ > すべてのページ > 過去30日間 比較
b. Google Search Console の検索パフォーマンスレポートを調べる
Google Search Console の検索パフォーマンスレポートを調べて、トラフィックの変動を調べます。
Google の「Google 検索トラフィックの減少を分析する」では、検索トラフィックが減少する5つのパターンを挙げています。トラフィックの現象パターンがどれに該当するのかチェックします。
- 技術的な問題 ― クロール、インデックス登録、robots.txt などのページ表示に関するエラー。
- セキュリティの問題 ― ハッキング、マルウェア、ソーシャルエンジニアリンクなど脅威に晒されている場合。
- 手動による対策 ― リンクスパムなどの Google のガイドライン違反。
- アルゴリズムの変更 ― コアアップデートなどのアルゴリズムの更新。
- 検索インタレストの低下 ― 流行や季節性によるクエリの需要減少。
c. Panguin Tool で調べる
Panguin Tool は、Google Analytics のアカウントと連携することで、検索アルゴリズムの変動とサイトのトラフィックの変動を比較したグラフを表示する無料 SEO ツールです。
過去のアルゴリズムの変動と照らし合わせることができるので、どのタイミングで影響を受けたのかを確認することができます。
Panguin Tool > USE FOR FREE をクリック > サイトのアカウントを選択
Google が推奨するコアアップデート対策
Google は、前述の「Google のコアアップデートについてサイト所有者が知っておくべきこと」において、コアアップデートの影響を受けた場合は、優れたコンテンツの提供に集中するべきだとアドバイスしています。
説明したとおり、コア アップデート後にページの掲載順位が下がったとしても、そのページに修正すべき問題があるとは限りません。それでも、コア アップデート後に掲載順位が下がった場合は、何かする必要があると感じることでしょう。そのような場合は、できるだけ優れたコンテンツを提供することに集中することをおすすめします。Google のアルゴリズムでは、コンテンツの品質に基づいて掲載順位を決定しているからです。
さらに、コンテンツを評価するための質問も掲載されていますので、それらをチェックリストとして活用することができます。
コンテンツ評価の質問は、次の4つのポイントで構成されています。
- コンテンツと品質に関する質問 ― コンテンツの独自性(オリジナリティ)、ページタイトルとコンテンツの高い関連性、情報の価値などを評価する項目。
- 専門性に関する質問 ― コンテンツ・著者の専門性や信頼性、正確性を評価する項目。
- コンテンツの提示や制作に関する質問 ― コンテンツの体裁、過剰な広告、モバイル対応を評価する項目。
- 比較に関する質問 ― 上記の ”コンテンツと品質に関する質問” と本質的に変わらない項目。
また、コンテンツ評価に関する他のリソースとして、検索品質評価ガイドラインを推奨しています。自らのコンテンツを品質評価者のように評価できれば、改善が期待できるからです。
Google には、Google のアルゴリズムが適切な検索結果を提供しているか検証し、Google に知見を提供する品質評価者という役割が存在します。この品質評価者は、アルゴリズムに対する変更が正しく機能しているかを確認するのに役立っています。
コアアップデートのリカバリ(回復)にかかる時間とは?
コアアップデートによってサイトが大規模な影響を受けた場合、基本的に次のコアアップデートまで回復は見込めません。
大規模なコア アップデートは、数か月ごとに行われる傾向にあります。サイトがコア アップデートの影響を受け、その後にコンテンツを改善した場合、掲載順位が回復する可能性があるのは、次の大規模なコア アップデートのリリース時です。
コアアップデートは通常3~4ヶ月の間隔で行われるため、影響を受けたウェブサイトはその間にサイトの改善を行う必要があります。サイト改善直後は、すぐに成果に結びつかないことを認識して継続的に取り組みます。
コアアップデートのリカバリで重要なこと? 耐え忍ぶこと。忍耐。 ツイートする事例から学ぶコアアップデートのリカバリ・対処法
コアアップデートのリカバリのための基本戦略は、サイト上のすべての潜在的な問題を表面化させ、可能な限り多くの問題を解決することです。
コアアルゴリズムの性質上、1つの決定的な問題を探すことは無意味です。サイトを客観的に分析し、問題を引き起こしている可能性のある要因をすべて洗い出して、それらを改善するための計画を立てます。
全部だ、全部!それしか助かる道はない! ツイートするネガティブな影響を与えている可能性のある要因には、コンテンツの品質、E-A-T、リンク、ユーザーエクスペリエンス、広告、技術的な SEO などがあります。
これから解説する改善ポイントは、コアアップデートから回復したサイトが実際に行なった施策です。数多くのリカバリ事例を調査しましたが、サイト状況の違いがあっても共通するポイントを改善しています。
そのため、あなたのサイトがどのような状況にあったとしても、改善するべきポイントを発見することに役立つはずです。
1. 検索ユーザーの検索意図を把握して、クエリとコンテンツの関連性を高める
コアアップデートでは、クエリ(キーワード)とコンテンツの関連性の調整が行われます。
簡単にいえば、クエリの検索意図と合致しないコンテンツのランキングが下がるということです。なぜなら Google は、求める情報を得られないという最悪な検索体験をユーザーにさせたくないからです。
クエリの検索意図は、次の4つの分類することができます。
- 情報型(Informational ): 情報収集するためのキーワード。
- 案内型(Navigational): 特定のサイト、ブランド、サービス、商品を探すキーワード。
- 商業調査型(Commercial Investigation) : 購入したい商品・サービスの情報を探すキーワード。
- 取引型(Transactional) : 決済などの取引関連の明確なアクションを起こす意図があるキーワード。
コンテンツをクエリの検索意図に最適化するプロセスは、コアアップデートの影響を受けたサイトのほとんどが行なっている重要なポイントの一つです。
ただし、クエリの検索意図を把握するプロセスは難しくありません。
- コンテンツのターゲットキーワードを Google 検索する。
- 上位表示しているページのコンテンツを調べて、どのような検索意図に応えているのかを調べる。(どのような情報を提供しているか。)
- 上位表示しているページのコンテンツタイプを調べる。リスト、ランキング、レビュー、チュートリアル、ハウツーなど、どのような形式で情報を提供しているか?
たとえば、”スマートフォン おすすめ” というキーワードの検索結果をみると、上位表示ページには、「最新」、「ランキング」、「iPhone・Android」という共通するトピックが使用されています。
つまり、このクエリで検索したユーザーは、iPhone・Android の最新のおすすめ機種の情報を、ランキング形式で得たいということです。
このようにシンプルなプロセスですが、クエリとコンテンツのミスマッチを解消する第一歩になります。
クエリの検索意図を把握するかんたんな方法?ググること! ツイートするまた、Ahrefs や Semrush などの SEO ツールを使用すれば、クエリと関連性が高いキーワードやトピックを調査できます。
1. Semrush で検索する場合
Semrush のキーワード概要で、”スマートフォン おすすめ” を検索すると、上位表示しているページのデータが得られます。
Semrush > キーワード概要 > キーワードを検索 > SERP分析
上位表示しているページの「URLキーワード」をクリックすると、当該ページが Google でランキングしているキーワードのデータが得られます。
Semrush に興味がありますか?
万能な SEO ツールである Semrush のレビューはこちら!
2. Ahrefs で検索する場合
Ahrefs の Keywords Explorer で、 ”スマートフォン おすすめ” を検索すると、Semrush と同様に上位表示しているページのデータが得られます。
Ahrefs > Keywords Explorer > キーワードを検索 > SERP overview
データ項目の「Keywords」をクリックすると、当該ページが Google でランキングしているキーワードのデータが得られます。
つまり、これらのキーワードは、 ”スマートフォン おすすめ” と関連性が高く、検索ユーザーが求めているトピックが含まれている可能性の高いキーワードリストといえます。
このように、上位表示しているページが、どのようなキーワードやトピックを使用しているかを調べることは、検索意図を把握するうえで効率的な方法です。
2. 競合コンテンツと差別化したコンテンツを作る
競合ページと比較した場合に、コンテンツが独自の価値を提供していることはとても重要です。
もし、あなたのページに競合ページと似たコンテンツが多く掲載されている場合、あなたのページを競合ページよりも Google で上位表示する理由があるでしょうか?
ユーザーが、あなたのコンテンツを優先して読むメリットはあるでしょうか?
競合ページと類似したコンテンツのランキングが下落するのは一般的なサイトでも起こりうる問題ですが、アフィリエイトサイトによく見られる傾向です。同じ商品を表面的にレビューした場合、オリジナル性のないコンテンツになりがちだからです。
Google の John Mueller 氏は、コンテンツの差別化について次のように述べています。
ユーザーを惹きつけたいのであれば、他の人が作ったものと同じものを作るのは良い戦略ではありません。素晴らしいもの、ユニークなもの、魅力的なもの、高品質なものを作り、それに見合った扱いをすることで、ユーザーに他のものよりも自分のものを選ばせるのです。
コンテンツの差別化には次のような手段があります。
- 独自の情報、分析を提供する ― 独自の調査、統計データ、アンケート情報は、それ自体に大きな価値があります。
- 独自の意見、見解を提供する ― あなた自身の意見や考えは、それだけで独自性をもちます。ただし、それらの意見がユーザーにとって価値があることが求められます。
- コンテンツに付加価値を加える ― コンテンツを補完する PDF、テンプレート、チェックリストなどは、ユーザーのエンゲージメントを高めます。
- ページデザインを工夫する ― ブログの基本的なデザインこだわらずに、自由なレイアウトにします。WordPress サイトの場合、Genesis Themes のような高機能テーマを使用すると、デザインを自由にカスタマイズすることができます。
3. コンテンツを最新の状態に保つ
コンテンツを最新の状態に保つことは、 Google だけでなくユーザーエクスペリエンスにとっても重要です。特に、コンテンツの根幹を担う情報が古かったり、閲覧できない状態になっているページはユーザーの役に立ちません。
たとえば、コンテンツの軸が画像や動画によって構成されているにも関わらず、リンク切れなどによって閲覧できない状態になっているページです。こうしたページは、リンク切れを解消するか削除します。
また、コンテンツの状態を確認するうえで見落としがちなのが、ページからの外部リンクです。
時間が経過した古いページは、そのページからの外部リンクをチェックするプロセスを怠りがちです。当初は、素晴らしいページを紹介するためにリンクをしたにも関わらず、時間の経過によってユーザーを危険なサイトに誘導してしまっているケースがあります。
外部リンクのチェックには、Ahrefs の Site Audit が便利です。サイトがリンクしている全ての外部ページの状況を確認できます。
Ahrefs > Site Audit > External pages > Total crawleds
4. 質の低いページを削除する
低品質で薄いページを大量にインデックスしているサイトは、 それだけで Google にサイト全体が低品質であるというシグナルを送っています。Google は、インデックスされたすべてのページの品質を評価しているからです。
たとえば、更新頻度が高いニュース系のコンテンツを提供するサイトは、質の低いコンテンツが時間をかけて蓄積される傾向があります。そして、時間が経過すると質の低いコンテンツの割合が増えて、サイトの品質にネガティブな影響を与えるのです。
そのため、質の高いページのみをインデックスして、質の低いページがインデックスされないようにします。サイトのインデックスページを見直して、低品質なページを削除するか、noindex に設定します。
WordPress サイトで Yoast SEO プラグインを使用している場合、各投稿の設定で noindex に変更できます。
投稿 > Yoast SEO > 高度な設定
5. 重複したコンテンツをまとめる
基本的に中小規模のサイトにおいて、同じキーワードをターゲットしたコンテンツを複数作る方法は得策ではありません。
なぜなら、サイト内に同じキーワードをターゲットにしたページが複数ある場合、サイト内で競合関係になりかねないからです。
そのため、重複しているコンテンツの情報をまとめて、最新の情報を提供する1つのページを作ります。サイト内に、同じテーマの質の低いコンテンツが散らかっていることを改善できます。
また、コンテンツを統合することによって、コンテンツの量が増えることも大きなメリットです。文字数が多いコンテンツは、文字数が少ないコンテンツよりも被リンクを得られる傾向にあるからです。
BACKLINKO によると、3000ワード以上のコンテンツは、1000ワード以下のコンテンツよりも平均 77.2% 多くの被リンクドメインを得ています。
6. コメント欄を管理する
コメント欄に表示されるユーザーのコメントは、コンテンツの一部としてみなされます。
そのため、コメントの管理が行われておらず、スパムコメントような質の低いコメントがあふれている場合、ページの品質を低下させます。コメントを適切に監視することができない場合は、サイトのコメント欄を削除・閉鎖します。
WordPress サイトの場合は、設定でコメント蘭の設定ができます。
設定 > ディスカッション設定 > デフォルトの投稿設定 > 新しい投稿へのコメントを許可
各投稿編集ページでも設定できます。
投稿編集 > ディスカッション > コメントを許可
また、既存ページのコメント欄をすべて取り除く場合は、Disable Comments のようなプラグインが便利です。
7. E‑A-T を高める
E-A-T は、ランキングへの影響が強くなっている要因の一つです。E-A-T とは、「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」を意味しています。
E-A-T は、お金・健康・安全・法律・ニュース分野(YMYL:Your Money, Your Life) のサイトにおいて重要な要因とされてきましたが、近年はサイトのテーマに関わらず大きな影響を与えつつあります。
Google の専門性に関する質問でも、次のように言及しています。
コンテンツは、明確な情報源、関係する専門知識の証明、著者またはコンテンツを公開しているサイトの背景情報(著者ページへのリンクやサイトの概要ページなど)など、掲載されている情報が信頼性の高いものであることを示すための情報を提供しているか。
たとえば、著者情報を記載しておらず、専門知識を有しているのか曖昧なサイトは、E-A-T の問題を抱えている典型的なサイトです。
なお、 Google の Gary Illyes 氏は、E‑A-T という名称のアルゴリズムが存在するわけではないと、Pubcon Pro Las Vegas 2019 で発言しています。
E-A-T スコアや YMYL スコアというような指標を Google は内部的に持っていない。E-A-T や YMYL というのは、アルゴリズムをわかりやすく概念化したものだ。
あくまでも、検索評価者が評価ガイドラインに基づいて検索品質を評価する際の用語として用いています。しかし、E‑A-T という名称ではないだけで、ランキングに大きな影響を与えつつあるのは事実です。
E-A-T を向上させるために、次のポイントを改善します。
a. 詳細な著者情報を提供する
サイトやコンテンツが誰によって提供されているのかを明確にします。
Google の John Mueller 氏は、コンテンツの著者情報を伝える手段としてサイトにプロフィールページを設置して、構造化データでマークアップすることをオフィスアワーで推奨しています。
次の情報を含んだ著者情報ページを作成して、各コンテンツのオーサーボックスからリンクします。
- 著者の人物紹介
- 著者の写真・アバター
- 有している専門知識・認定情報
- 著者が他のサイトで行っている活動へのリンク
- ソーシャルメディアのプロフィールへのリンク
- 著者情報を構造化マークアップする
たとえば、儲け学のコンテンツの末尾には簡易的な著者情報を掲載したオーサーボックスがあり、著者情報ページへのリンクを設置しています。オーサーボックスは、Simple Author Box のようなプラグインで簡単に設置できます。
リンク先の著者情報ページでは、詳細な著者情報を提供します。
その他、Google の「Google ニュースの提供元について」では、ニュース提供元が信頼性・透明性を示すための情報について解説しています。これらの情報は、一般サイトでも参考になります。
コンテンツの著者は信用できる人物なのか?その答えをわかりやすく Google に伝えることが、E‑A-T を改善するプロセスの第一歩。 ツイートするニュース提供元は、記事やサイトに関する情報を提供することで、読者の信頼を得ることができます。この情報には、明確な日付と執筆者の署名に加え、執筆者情報、ニュース提供元、背後にいる企業やネットワーク、連絡先情報が含まれます。このタイプの透明性により、読者は、閲覧または視聴しているコンテンツに関する情報や、コンテンツの作成者に関する情報を容易に把握できるようになります。
b. 明確な企業情報を提供する
サイトが法人によって運営されている場合、アフィリエイトサイトや EC サイトであっても、次の情報を概要ページに記載して実在する企業であることを明確にします。さらに、それらの情報を Google マイビジネスに登録します。
- 企業名・ビジネス名
- 企業の歴史
- 業界団体の認定証
- 代表の指名
- 住所
- 電話番号
- Google マイビジネスに登録する
- 「組織」(Organization)の構造化マークアップをする
c. 関連サイトから被リンクを獲得する(リンクビルディング)
あなたとのサイトと関連性が高いサイトからのリンクは、E‑A-T の向上に役立ちます。権威性を測るうえで、質の高いリンクを持っているかどうかは重要な要因です。
Google の Gary Illyes 氏は、E-A-T は権威があるサイトからのリンクやメンションに基づいていると説明したことがあります。
私はゲイリーに E-A-T について尋ねました。彼は、E-A-T は主に権威あるサイトのリンクと言及に基づいていると言いました。例えば、ワシントンポストがあなたのことを言及していれば、それは良いことです。彼は、E-A-T に関する QRG のセクションを読むことを勧めました。
そのため、継続的にリンクを獲得する取組みが必要です。次は、リンクを獲得するために役立つ情報源や戦略です。
d. 有用な外部サイトへリンクする
優れた外部の研究、統計、データにリンクしたり引用することは、サイトのオーソリティーを向上させる簡単な SEO テクニックです。
たとえば、儲け学は SEO をメインテーマの一つとして扱っていますが、 Google の公式情報なしに正確なコンテンツを作ることはできません。つまり、質の高いコンテンツは、質の高い外部情報なくして成立し得ないのです。
また、YouTube の動画をコンテンツに埋め込んで、その動画内の重要なメッセージを引用する方法もおすすめです。
e. YMYL サイトにおける専門性の向上
お金・健康・安全・法律・ニュースの分野の、いわゆる YMYL サイトは、特に高い水準の専門性が求められます。 Google が YMYL サイトとしての条件を満たしていない判断したサイトの検索順位の下落は、とても激しい傾向にあります。
YMYL サイトのコンテンツは、専門家にコンテンツ作成を依頼するか、専門家による監修を受けてコンテンツを更新する必要があります。
2018年7月版の検索品質評価ガイドラインでは、YMYL サイトにおけるコンテンツ作成者のレピュテーション(評価・評判)を重視する傾向が強くなりました。情報の質や正確性が重視されるサイトでは、誰がコンテンツを作成したのかが重要な要因となります。
その他、YMYL サイトにおける品質を重視したアップデートは過去に数回実施されており、2017年のフェイクニュース対策のためのアップデートであるプロジェクト・アウルや、医療や健康に関する評価方法のアップデートでは、品質を重視するシグナルを調整しています。
8. 技術的な SEO を改善する
技術的な SEO の問題は、サイトに致命的な問題を引き起こす可能性があります。たとえば、近年の最重要テーマの一つはモバイル対応です。
次は、モバイル対応を含む技術的な SEO の要因をまとめています。
a. ウェブサイトをモバイルに対応する
Google は、2018年にモバイル向けページを検索順位を決定するための評価対象にするモバイルファーストインデックスを開始しました。導入から3年以上経過していますが、いまだに問題を抱えているサイトが多くみられます。
たとえば、レスポンシブウェブデザインを使用していないために、デスクトップとモバイルの URL が分かれており、コンテンツやナビゲーションがデスクトップ用ページと一致しないケースなどがあります。
モバイルフレンドリーテストで、サイトがモバイル対応しているか確認してください。
b. サイトを HTTPS (SSL/TLS) 化する
サイトを HTTPS 化 して安全性を高めることはランキング要因です。検索結果の1ページ目に表示されるサイトの 95% が HTTPS 化しているサイトであることを考慮すると、HTTPS 化は当然の義務といえます。
エックスサーバーのようなレンタルサーバーでは、無料で独自SSL設定できます。また、 Google は HTTPS の導入ガイドも公開しています。
c. 適切な内部リンク構造にする
内部リンク構造に問題があるサイトによくあるのは、サイトの主要なページが他の主要なページとリンクしていないケースです。 Google がクロールすることを妨げるだけでなく、ユーザーが目的のページに辿りつくことを妨げます。
内部リンク構造は、シンプルにサイロ化した構造が理想的です。コンテンツを分類してグループ化して、それらをリンクさせるだけです。
トップページから3クリック以内の階層に主要なページを配置します。
d. コアウェブバイタルを改善する
Google は、2021年6月からコアウェブバイタルを、ページエクスペリエンシグナルとしてランキング要因に導入しています。
本日、ページ エクスペリエンス シグナルを導入したランキングを 2021 年 5 月にリリースすることを発表いたします。新しいページ エクスペリエンス シグナルは、ウェブに関する主な指標と既存の検索シグナル(モバイル フレンドリー、HTTP セキュリティ、煩わしいインタースティシャルに関するガイドラインなど)を組み合わせたものです。
コアウェブバイタルは、ウェブページにおけるユーザー体験を次の3つの指標に基づいて数値化します。
- Largest Contentful Paint (LCP): 動画や画像などのページで最も大きな要素が読み込まれるまでの時間。
- First Input Delay (FID): ユーザーがリンクやボタンをクリックできるまでの時間。
- Cumulative Layout Shift (CLS): ページレイアウトの安定性を測定。コンテンツを阻害する広告などを制限するため。
コアウェブバイタルの改善は、次のプロセスで行います。
- Search Console の「ウェブに関する主な指標」レポートを確認。 ― コアウェブバイタルの問題があるページを特定する。
- PageSpeed Insights や Lighthouse で該当ページを分析。 ― コアウェブバイタルの問題を引き起こしている箇所を特定する。(ツールのまとめ)
- 修正する。 ― 問題箇所を最適化する。
なお、ページエクスペリエンスがランキングに与える影響について、 Google の「ページ エクスペリエンスの Google 検索結果への影響について」において、次のように記載されています。
ページ エクスペリエンスは重要ですが、それでも Google は、ページ エクスペリエンスが劣っていても、全体的に価値の高い情報を含むページを上位にランキングするようにしています。つまり、いくらページ エクスペリエンスが優れていても、コンテンツが優れたページを上回ることはありません。ただし、関連性が同程度のページが多数存在する場合の検索ランキングにおいては、このページ エクスペリエンスが一段と重要になります。
e. ページ表示速度の改善する
Google は、2018年7月からモバイル検索におけるページ表示速度をランキング要因(Speed Update)として使用しています。表示がとても遅いサイトのランキング影響を与えています。
この ”Speed Update” (と私たちは呼んでいます)は、ユーザーに本当に遅い体験を提供しているようなページについてのみ影響し、ごくわずかな割合のクエリにしか影響しません。 そのページがどのような技術を用いて制作されたかに関係なく、すべてのページに同じ基準を適用します。
Google は、ページ表示速度の計測に Chrome ユーザーエクスペリエンスレポートのデータを使用しています。このデータは PageSpeed Insights で得ることができるので、PageSpeed Insights で計測して問題があれば修正していきます。
なお、WordPress サイトの場合、WP Rocket のようなサイトを高速化できるキャッシュ系プラグインがおすすめです。サイトパフォーマンスとコアウェブバイタルのスコアを驚くほど改善することができます。
その他
- robots.txtファイル・noindex― 重要なページを意図せずにクロールからブロックしていないかを確認します。robots.txtファイルの問題は定期的に話題になり、自治体のサイトがインデックスから消えたケースもありました。同様に、noindex の設定にも注意が必要です。
- canonicalタグ・リダイレクト ― canonicalタグの問題は、重複したコンテンツをリリースする可能性が高いニュース系のサイトで起こりがちです。単一のページに複数の URL でアクセスできる場合は、URL を統合します。また、サイトの URL を変更した場合は、適切なリダイレクトができているか確認します。
- WordPress サイトの注意点 ― WordPress のバージョン更新、プラグイン更新、テーマ更新を行う。サイトのセキュリティに影響を与える可能性のある更新は特に注意します。
9. 広告によってユーザーエクスペリエンスを低下させない
過度な広告の表示によってユーザーエクスペリエンスを損ねているサイトは、コアアップデートで大きな影響を受けやすい傾向にあります。
特にモバイルでは、検索結果からすぐにコンテンツにアクセスできないページのランキングを低下させています。
2017 年 1 月 10 日更新: 本日より、ユーザーがモバイル検索結果から遷移したとき、すぐにコンテンツにアクセスできないページの掲載順位をこれまでより下げることにしました。
Google の「モバイル ユーザーが簡単にコンテンツにアクセスできるようにする」では、コンテンツを阻害するインタースティシャルのダメな例を紹介していますので確認してください。
さらに、広告を掲載している場合は、次のポイントにも注意して改善します。
- 巨大な広告や Call To Action によってメインコンテンツを押し下げない。
- 1ページに過度な数の広告を掲載しない。
- ページを開くと自動再生するような動画を掲載しない。
- 過度なアフィリエイトモジュールを設定によって、ページパフォーマンスを低下させない。
サイトの収益が広告によってもたらされている場合、広告の表示はとても重要な問題です。 Google 広告のポリシーを熟読して、適切な運用をしてください。
何がともあれユーザーエクスペリエンス。そういう時代。 ツイートする10. 不自然なリンクを修正する
PageRank や ランキングを操作することを目的とした ”不自然なリンク” は、 Google から手動対策の措置を受けていなくても、ランキングにネガティブに影響を与える可能性が高いです。
なお、有料リンクの現状については、サイバーエージェントSEOラボ研究室長の木村氏の「それでもやっぱり今は有料リンクスパムをおすすめできない理由」で、 Google の有料リンクの取り扱いの変遷がユニークに紹介されています。
”スパムが見つかったあとは焼け野原。” ツイートする基本的に、次のような不自然なリンク・スパムリンクは全て削除、修正します。
- 購入したリンク ― リンクを削除。
- 自作自薦の被リンク ― リンクを削除。
- 姉妹サイトによる過度な相互リンク ― リンクを修正・削除。
- リンク目的のゲスト投稿 ― ユーザーにとって価値のゲスト投稿だけ行う。
- 不適切なスポンサードリンクの取り扱い ― スポンサードリンクである旨を表記して、リンクを nofollow 設定にする。
なお、不健全なリンクを削除するために、気軽にリンク否認ツールを使用することはおすすめしません。
なぜなら、 上位表示に貢献しているリンクを否認してしまう可能性があるからです。Google でないと不自然なリンクかどうかは判断できないので細心の注意が必要です。
否認ツールは複雑な機能であるため、慎重に使用する必要があります。使い方を間違えると、Google 検索結果でのサイトのパフォーマンスに影響が及ぶ可能性があります。
ほとんどの場合、Google は詳しい情報を提供されなくても、どのリンクが信頼できるものかを評価することができます。そのため、ほとんどのサイトではこのツールを使う必要はありません。
なお、サイトが手動による対策を受けた場合は、「手動による対策レポート」の手順に従って対処します。
リンクは非売品。売っているリンクは偽物。いつか捕まる。 ツイートする日常的に行うべきコアアップデート対策
日常的にできるコアアップデート対策は、継続的にサイトを分析・監査して、問題を発見したら素早く対処することです。コアアップデート対策は、人の健康を維持するプロセスに似ています。
人の健康は、定期的に人間ドックを受診して、危険な要因を把握しておくことで病気を予防できます。また、病気が判明した場合でも、早期発見できれば完治の可能性が高くなります。
サイトの SEO 管理も同じです。常に健康状態を把握して、トラブルが発生した時に素早く対処できる監査プロセスが必要です。
サイトの監査には、次のようなツールを使用してサイトの状況を定期的にトラッキングします。週、月ごとにトラフィックや検索順位の変動を把握しておけば、コアアップデートの影響を素早く判断できます。
Ahrefs や Semrush の管理ツールは、Google Analytics が提供していないデータもあります。たとえば、内部リンクや外部リンクの具体的な状況などです。こうしたツールは、実際にコアアップデートの影響を受けてしまった場合に役立ちます。
Google Analytics などの無料ツールと、Ahrefs・Semrush などの有料ツールを組み合わせて使用することで、より多くのデータを得ることができます。
たとえば、Ahrefs の監査ツールは、定期的にサイトの健康状態をチェックして、レポートをメールで受信できます。そのため、潜在的な問題を素早く把握することができます。
リカバリのためのはじめの一歩
コアアップデートのリカバリの基本概念は、サイトの問題をできる限り全て解決することです。影響を受けたページの問題点をすべて改善していくプロセスを継続していきます。
たとえコアアップデートの影響を受けてサイトのトラフィックが半分以下になったとしても、適切な施策を行えば以前の水準に戻ることができることを数多くの事例が証明しています。
つまり、あなたのサイトがどんなに酷い状態であったとしても、このガイドと共にはじめの一歩を踏み出せば失ったトラフィックを取り戻すことができる可能性があるのです。
さあ、無料テンプレートをダウンロードして作業をはじめてください。
宮 義明は、儲け学の運営者で宮行政書士事務所の代表です。儲け学は、海外の最新 SEO ・ウェブマーケティング戦略や、SEOツール「Smallsteps」を公開しているマーケティング情報サイトです。宮 義明は、マーケティング関連のウェブサイトを10年以上運営しており、そこで得た経験や情報を発信しています。著者情報の続きはこちら
コメントを残す