あなたはキーワード選定のプロセスをもっと簡単で効率的にしたくありませんか?
このガイドは、SEO におけるキーワード選定のプロセスを3ステップで解説しています。
SEOツールによるキーワードリサーチ、 キーワードの分類・選定、キーワードを考慮したコンテンツ作りです。
特に、キーワードアイデアの調査と選定方法にフォーカスしており、トラフィックやコンバージョンなど、求める成果に適したキーワードを探し出すことに役立ちます。
また、作業効率向上に役立つテンプレートや、ワークシートも無料ダウンロードできます。
なぜSEOにおいてキーワード選定が重要なのか?
SEO のキーワード選定とは、キーワードをリサーチしてビジネスの目的に適したキーワードを選ぶ作業です。SEO においてもっとも重要で価値が高いプロセスの1つです。
なぜなら、あなたのウェブサイトのターゲットとなるユーザーが検索に使用しているキーワードを特定して、そのキーワードの検索意図に合致するコンテンツを提供すれば、Google からオーガニックトラフィックを得られるだけでなく、売上増加といった利益をもたらすからです。
また、キーワード選定のプロセスは、まさに市場調査(マーケティングリサーチ)です。キーワードリサーチの過程では、あなたの見込み客がどのようなキーワードを使用して、どのような疑問や問題を解決しようとしているかの検索意図を容易に汲み取ることができます。これらの情報は、コンテンツの作成だけでなく、新たな商品・サービスの開発にも役立つ貴重な情報です。
つまり、キーワード選定は、オーガニックトラフィック、売上、市場調査、商品開発などのマーケティング全般の向上に役立つ重要な設計図の役割を果たすのです。
Step1. SEOツールでキーワードをリサーチする
ステップ1では、無料・有料のキーワードツールや、Googleキーワードプランナーを使用してキーワード候補(キーワードアイデア)をリサーチします。キーワードツールは、私がおすすめのツールを厳選して解説します。リストアップしたキーワードは、Googleスプレッドシートや Excel で管理しておくと便利です。
1-1. 有料キーワードツールで検索する
有料のキーワードツールは、情報の正確性や作業の効率性を考慮すると最もおすすめの検索方法です。たくさんのキーワードアイデアを、詳細なデータと共に得ることができます。
有料のキーワード抽出ツールはたくさん存在しますが、Ahrefs や SEMrush などは利用者も多く SEO の初心者から上級者まで使い勝手の良いツールです。
たとえば、Ahrefs の Keywords explorer を使用すれば、1つのキーワードから膨大な関連キーワードのリストを取得した後、あなたの求める条件に合致するキーワードのみを抽出できます。
Ahrefs の Keywords explorer にシードキーワード(Seed Keywords)を入力して検索します。シードキーワードとは、あなたのビジネスを定義する根幹となる1〜2語のキーワードです。たとえば儲け学ならば、”SEO”、”ウェブマーケティング” などが該当します。
今回は、”ダイエット” を例に検索します。
ダッシュボードの左側のメニューから、[Keyword ideas] > [All keyword ideas] を選択します。
Ahrefs が ”ダイエット” に関連すると判断した約10万件のキーワードのリストが表示されます。
さらに検索結果上部のフィルタ機能では、膨大なリストから条件に合うキーワードを絞り込むことができます。たとえば次のように、3ワード以上かつ、”レシピ” というキーワードを含むものだけを抽出できます。
このように有料キーワードツールの大きなメリットは、膨大なデータから求める条件に合うキーワードだけを抽出できることにあります。SEMrush の Keyword Magic Tool も Ahrefs と同様のプロセスで検索できます。
またさらに、Ahrefs のサイトエクスプローラーを使用すれば、競合サイトが Google でどのようなキーワードで上位表示しているかを調査できます。サイトエクスプローラー に競合サイトの URL を入力してドメイン全体を検索します。
ダッシュボードメニューの [オーガニック検索] > [オーガニックキーワード] をクリックすると、競合サイトが Google でランキングしているキーワードのリストを表示します。検索順位が10位までの上位表示キーワードのみを抽出するなどのフィルタリングも可能です。
こうした競合サイトの SEO情報はキーワード選定だけでなく、マーケティング戦略のヒントにもなりうる貴重な情報です。
SIDENOTE: YouTube や Amazon などの他媒体のキーワードを検索できる
Ahrefs は、Google検索におけるキーワード情報だけでなく YouTube や Amazon などの他媒体のキーワード情報を検索できます。
動画マーケティングのために YouTube、アフィリエイトやECサイトのために Amazon、中国市場をターゲットにするために Baidu など様々な目的に対応できます。ほとんどの無料キーワードツールには備えていない有料ツールならではの機能といえます。
1-2. Googleキーワードプランナーで検索する(GKPハックテクニック)
Google キーワードプランナーは、度重なる仕様変更により年々 SEO 目的での利用が難しくなっています。しかし、”GKPハック”(Google Keyword Planner Hack)テクニックを使えば、依然としてキーワードアイデアのリストアップに役立ちます。
まず、Google広告にログインして、上部メニューの [ツールと設定] 、 [プランニング] からキーワードプランナーを開いて、[新しいキーワードを見つける]を選択します。
そして、[ウェブサイトから開始]を選択して、あなたの競合サイトの人気コンテンンツやランディングページを入力して検索します。
競合サイトの人気ページのキーワードを調査することで、競合サイトがどのようなキーワードで Google からアクセスを集めているかなどの貴重な情報を得られます。
つまりこの GKPハックは、競合サイトを分析することであなたの分野で検索に使用されているキーワードや、そのキーワードと関連性が高いトピックを探すことを目的としています。
また、GKPハックの対象は競合調査だけではありません。次の媒体もキーワード候補を探すこと役立ちます。
- ブログ記事: コンテンツのテーマがある程度決まっているのならば、競合サイトやニュースメディアのブログ記事は大きなヒントになります。
- Wikipedia: あなたの分野に関連するWikipediaのトピックを調査することで、思わぬキーワードを見つけることができます。
- フォーラム: あなたの分野に関連するフォーラムのスレッドページは、潜在顧客が使用する生のキーワードです。
- はてなブックマーク: はてなブックマークは時事性が高いので、これから検索数が増加しそうなキーワードを発見できます。
- Q&Aサイト: 知恵袋や OKWave などのQ&Aサイトは、見込み客が使用するキーワードやフレーズを調査することに役立ちます。特に情報系キーワード探しにうってつけです。
SIDENOTE: キーワードプランナーの問題点
キーワードプランナーを SEO目的に使用する場合、ほとんどの人は [キーワードから開始]を選択して、自らのウェブサイトと関連するキーワードを入力して検索しています。この検索方法の場合、キーワードプランナーがもつ潜在的な問題点を理解しておく必要があります。
問題点1. すべての人に同じ検索結果を表示する
キーワードプランナーの最大の問題点は、すべての人に同じ検索結果を表示することです。私が ”花 宅配” で検索した検索結果と、あなたが ”花 宅配” で検索した結果は同じです。
つまり、あなたの競合サイトもあなたと同じ検索結果を見ています。同じキーワードで上位表示を目指せば競争が激しくなるのは当然です。GKPハックテクニックが優れているのは、こうしたキーワードプランナーが潜在的にもつ問題点をカバーできる点にあるといえます。
問題点2. 超関連キーワードしか生み出せない
キーワードプランナーは基本的に検索したキーワードと関連性の高いキーワードしか生み出せません。キーワードプランナーは、本来リスティング広告のためのツールです。そのため、有料のキーワードツールのように検索キーワードと間接的に関連するキーワードを検索することに向いていません。
問題点3. 月間平均検索ボリュームが不正確
キーワードプランナーの検索結果に表示される月間平均検索ボリュームは不正確です。Google広告を運用していない場合、月間検索ボリュームの数値は概算値となります。より詳細な数値を確認したい場合は、Google広告のキャンペーンをアクティブ状態にする必要があります。
次は、Google広告を運用していない状態のキーワードプランナーと、Ahrefs で検索したキーワードの検索ボリュームの比較です。Google広告の検索ボリュームは目安程度と認識するべきです。
1-3. 無料キーワードツールで検索する
無料のキーワードツールは、基本的に Google キーワードプランナーや Google のオートコンプリート(キーワードサジェスト)のデータを利用しています。そのため、得られるデータはキーワードプランナーなどと同じですが、ツール自体の使いやすさやデザインに特徴があります。
- キーワード検索ツール(Smallsteps)
- ロングテールキーワード検索ツール(Smallsteps)
- Keyword Tool
- Soovle
儲け学のキーワード検索ツールは、入力したキーワードの関連キーワードを調査できます。また、Google、Bing、YouTube、Amazon、Wikipedia など媒体別に検索できます。検索ボリュームなどのデータは得ることができませんが、異なる媒体におけるキーワードを調査できる点に特徴があります。
キーワード検索ツール > キーワードを入力 > 媒体を選択 > 送信
儲け学のロングテールキーワード検索ツールは、入力したキーワードに関連するロングテールキーワードを調査できます。前述のキーワード検索ツールよりも豊富なロングテールキーワードのデータを得られます。国別、言語別、媒体別など、オプションが豊富にある点もキーワード検索ツールと異なるポイントです。
ロングテールキーワード検索ツール > キーワードを入力 > スタート
Keyword Tool は、Google のキーワードプランナーやオートコンプリートのデータからキーワードを検索できるキーワードプランナーの代替ツールです。検索したいキーワードを入力して、日本語に設定して検索します。
キーワード、検索ボリューム、トレンド状況、CPC、競合度(広告)のデータを得られます。データは基本的にキーワードプランナーから取得しているので目安程度の数値です。(無料利用の場合はデータの取得制限あり。)
Soovle は、とてもユニークなツールです。画面中央の検索ボックスにキーワードを入力すると、様々な媒体のキーワード情報を一度に表示します。Bing、YouTube、Amazon、Wikipedia なども含みます。
日本語検索にイマイチ対応していない点もありますが、海外向けコンテンツのリサーチにも役立ちます。
Step2. キーワードを分類して選定する
ステップ2では、ファーストステップで収集したキーワードアイデアを、検索意図、検索数、難易度などの観点から分類します。コンテンツ(ブログ・ランディングページ)のターゲットとなるキーワードを選ぶ基準となるポイントを解説します。選定は1つの指標のみで判断することは困難ですので、様々な指標から総合的に判断することが求められます。
2-1. 検索意図とバイヤーズジャーニー
キーワードを検索意図で分類してバイヤーズジャーニーのどの段階のキーワードなのかを判断することは、コンテンツの目的と誘導したいユーザーを合致させるために重要です。
まず、検索意図とはユーザーが Google で検索する目的です。そして、キーワード(クエリ)は次の4つの検索意図に分類できます。
- 情報型(Informational ): 情報収集するためのキーワードです。1語のキーワードや、5W1Hの情報(誰、何、どこ、なぜ、どのように)を求めるキーワードです。
- 案内型(Navigational): 特定のサイト、ブランド、サービス、商品を探すキーワードです。
- 商業調査型(Commercial Investigation) : 購入したい商品・サービスの情報を探すキーワードです。商品・サービスを修飾するキーワードが含まれます。”おすすめ”、”レビュー”、”比較”。
- 取引型(Transactional) : 決済などの取引関連の明確なアクションを起こす意図があるキーワードです。”購入”、”ダウンロード”、”価格”。
次にバイヤーズジャーニーとは、ペルソナとなるユーザーが購買の決断に至るまでのプロセスです。
バイヤージャーニーとは、プロスペクト(見込み客)が新しい製品やサービスを知り、比較検討を実施して購入を決断するまでにたどる一連のプロセスを指します。
バイヤーズジャーニーを理解する目的は、各段階で求めているものに適したコンテンツを作るためです。このプロセスは次の4つに分類できます。
- 認知(Awareness): 問題を認識している段階。
- 関心(Interest): 問題への理解を深めて、問題を解決する方法を探している段階。
- 検討(Consideration): 問題を解決する方法を比較検討している段階。
- 決定(Conversion): 問題点を解決するための商品・サービスを購入しようとしている段階。
具体例: ブログを始めた太郎くん
- 認知: 太郎くんはブログのアクセスがないことを認識する。
- 関心: 儲け学のコンテンツを読んで、ブログのアクセス数を増やす方法として SEO が必要であると判断する。
- 検討: SEO を行うためにツールが必要だと理解して、複数のツールについて比較検討する。
- 決定: SEMrush を利用することに決定した。
そして、このバイヤーズジャーニーは検索意図に当てはめて考えることができます。簡単にいえば、認知段階のユーザーは情報型のキーワードで、決定段階のユーザーは取引型のキーワードで検索する可能性が高いという関係性があります。
こうした検索意図とバイヤーズジャーニーの関係性を理解しておくことで、キーワードとコンテンツのミスマッチを防ぐことができます。たとえば、情報型のキーワードのタイトルにも関わらずコンテンツの内容は決定段階を対象にしている場合、当然コンバージョン率は低くなります。前述の具体例でいえば、ブログのトラフィックがない理由を調べている太郎くんに、いきなり SEMrush の登録を促すのは最善のアプローチではないということです。
Tips:アフィリエイトのキーワード選定のヒント
どのような分野のウェブサイトでもキーワードを4つの検索意図に分類できます。しかし、典型的なアフィリエイトサイトの場合、次のように検索意図を言い換えると判断しやすくなります。大量のキーワードを効率良く判断するコツは、どんなキーワードが含まれていたらどのタイプに分類するべきなのかを事前に把握しておくことです。
- 情報型 = 情報系キーワード。「~の方法」のように情報を提供するフレーズ。
- 案内型 = 商品系キーワード。具体的な商品・サービスのカテゴリやブランド名。
- 商業調査型 = レビュー系キーワード。”ベスト”、”トップ”、”評価”
- 取引型 = 購入系キーワード。”割引”、”激安”、”通販”
2-2. 検索数(検索ボリューム)
検索数(検索ボリューム)は、キーワードが Google で検索された月間回数です。検索数は年間検索数を平均化した数値ですので、”母の日 プレゼント” などの季節性があるキーワードの場合は、Google Trends でトレンド状況を確認する必要があります。
キーワードは、検索数に基づいてヘッド、ボディー、ロングテールの3つのカテゴリに分類できます。検索数を考慮する場合、検索数とコンバージョンの関係性を理解しておく必要があります。3つのカテゴリの違いは、縦軸に検索数、横軸にコンバージョン率を示した検索需要曲線のグラフで示すことができます。
ヘッドキーワード
ヘッドキーワードは、検索量がとても多く上位表示の競争が激しい1語程度のキーワードです。日本ではビッグキーワードとも呼ばれます。ヘッドキーワードはユーザーの検索意図が多岐にわたるため、コンバージョン率は低くなる傾向にあります。
ボディーキーワード
ボディーキーワードは2~3語のフレーズで構成される、ヘッドキーワードよりも検索量が少ない具体的なキーワードです。ミドルキーワードとも表現されます。ヘッドキーワードよりもSEOの競争度は低いですが、それでも争いが激しいといえます。
ロングテールキーワード
ロングテールキーワードは、3ワード以上の検索意図がとても具体的なフレーズです。検索量は少ないですが、ユーザーの検索意図が明確に反映されるためコンバージョン率が高くなります。conductor のデータよると、ロングテールキーワードのコンバージョン率はヘッドキーワードの2.5倍です。
ちなみに、本来ロングテールキーワードは検索量が少ないキーワードを意味しています。そのため、必ずしも複合キーワードを意味しているわけではなく、検索量が少ない1ワードのキーワードもロングテールキーワードです。しかし、SEOを前提としている場合、ロングテールキーワードは3ワード以上の複数のキーワードを意味していることがほとんどです。
検索需要曲線のキーワード具体例
”Tシャツ” というキーワードを例に、具体的なキーワードを検索需要曲線に当てはめると次のようになります。
- Tシャツ – 94,000
- Tシャツ メンズ – 7,200
- Tシャツ メンズ ユニクロ – 500
ヘッド、ボディー、ロングテールと、キーワード数が増加して検索ユーザーが求めている情報の具体性が増すにつれて検索数が減少します。しかし一方で、ユーザーの検索意図が明確になるので、”Tシャツ”よりも”Tシャツ メンズ ユニクロ”の方が、ユニクロのメンズTシャツを購入するコンバージョン率が高くなることは容易に想像できます。
つまり、Tシャツで検索したユーザーは必ずしもユニクロのTシャツの情報を求めていませんが、”Tシャツ メンズ ユニクロ”で検索したユーザーは明確に関心を持っているので、購入する可能性が高くなるということです。こうした理由から、検索量とコンバージョン率が反比例しているのです。
検索ボリュームの調べ方
精度の高い検索数を調べるためには、有料のキーワードツールを使用する必要があります。(前述のように、キーワードプランナーの検索ボリュームのデータは不正確だからです。)たとえば、Ahrefs のキーワードエクスプローラーで検索すれば、検索数とトレンド状況が一目でわかります。
ちなみに Ahrefs は、キーワードプランナーのデータと、膨大な量の ”clickstream” というデータを利用して高度な推定検索ボリュームを提供しています。日本語のキーワードのインデックス数が非常に多いのも特徴です。
2-3. キーワード難易度(自然検索の競合度)
キーワード難易度とは、Google の自然検索時の上位表示の難易度です。有料キーワードツールは、検索上位1ページ目にランキングされるための難易度を被リンク数を基準に数値化しています。そのため、キーワード難易度が高く、トップページにオーソリティサイトや有名ブランドサイトが数多く並んでいたら上位表示が容易ではないことを意味しています。
有料キーワードツール以外にもキーワード難易度を調べる手段として、MozBar や Ahrefs SEOツールバーなどのブラウザ拡張機能も活用できます。これらのツールバーは、Google の検索結果(SERP)へアクセスすると分析が行われ、即時にSEO指標を取得できます。
Chrome、または Firefox のブラウザにツールバーの拡張機能を追加します。MozBar の場合、ツールバーをアクティブ状態にして Google検索すると、被リンク数、PA(ページオーソリティー)、DA(ドメインオーソリティー)といった Moz 独自の指標を表示します。
Ahrefs SEOツールバーの場合、MozBar よりも詳細なデータを表示します。被リンク数や Ahrefs 独自のレーティング表示だけでなく、検索したキーワードの検索数や、クリック数などの情報も表示します。
2-4. CPC(Cost Per Click)・推定入札単価・競合性
CPC(Cost Per Click)は、Google広告における推定入札単価(”ページ上部に掲載された広告の入札単価”)です。
検索語句がキーワードと完全に一致した場合に、Google 検索結果の最初のページの上部に広告を掲載するために必要なクリック単価(CPC)の見積もりです。
入札単価は キーワードから得られる収益性を判断する目安になります。価格が高ければ当該キーワードから売上などのコンバージョン率が高いことを予想できるからです。
なお、キーワードツールで表示する CPC の価格は平均値です。CPC の価格は頻繁に変動が起こるためです。そのため、リアルタイムのデータを調べる場合は、Google広告で確認する必要があります。また、どれくらいの広告主がキーワードに入札しているかを示す ”競合性” の指標も参考になります。
2-5. クリック数(Clicks)
クリック数(Clicks)は、検索ユーザーが検索結果(SERPs)でページをクリックした数です。検索数に対してクリック数が少ないキーワードは、検索結果に表示される情報のみで目的を果たして検索結果のページをクリックしない傾向にあります。
一方で、検索数に対してクリック数が多いキーワードは、ユーザーが検索結果の複数のページをチェックする傾向にあります。クリック数のデータは、基本的に有料ツールのみで提供しています。
検索数とクリック数の大きな隔たりは、Google の強調スニペットや、ナレッジパネルが大きく起因しています。たとえば、”エリザベス女王 年齢” と検索すると、ナレッジパネルによって検索結果のページをクリックすることなく回答を得られます。こうしたことから、クリック数が検索数に対して著しく少ないキーワードには注意が必要です。
2-6. その他の参考となる指標
- リターン率(Return Rate)
- リターン率は、ユーザーが1ヶ月間に同じキーワードを再検索する頻度です。リターン率が高いキーワードは、同一ユーザーが1ヶ月間に複数回検索していることを意味します。Ahrefs 独自の指標です。
- CPS(Clicks Per Search)
- 1度の検索でユーザーが検索結果をクリックする割合です。CPS が高いキーワードは、ユーザーが検索結果で複数のページをクリックするので、検索順位が下位でもクリックしてもらえる可能性が高いことを意味しています。
- URL Rating(Page Authority / ページオーソリティ)
- URL Rating は、ページ(URL)を被リンクに基づいて数値化しています。ツールごとに名称は多少異なりますが、有料キーワードツールが独自に算出しているレーティングです。Google のランキングと相関関係があり、相対的に高い数値ほど上位表示の可能性が高くなります。検索結果のトップページに並ぶページの URL Rating が高い場合、上位表示の難易度が高いといえます。
- Domain Rating(Domain Authority / ドメインオーソリティ)
- Domain Rating は、ドメインを被リンクに基づいて数値化しています。ツールごとに名称は多少異なりますが、有料キーワードツールが独自に算出しているレーティングです。URL Rating ほどではありませんが、Domain Rating の数値も Google のランキングと相関関係があります。
Step3. キーワードと検索意図に最適化したコンテンツを作る
ステップ3では、選定したキーワードに最適化したコンテンツを作ります。ターゲットキーワードから関連キーワードを調べる方法や、SEO の内部対策を解説します。なお、本記事はキーワード選定がメインテーマですので、コンテンツ作りについては簡潔にまとめています。
3-1. メインキーワードの関連キーワードを探す
コンテンツのターゲットとなるメインキーワードを選定したら、次にそのキーワードの関連キーワードを探します。メインキーワードの関連キーワードは、コンテンツを構成するトピック(テーマ)となるからです。
たとえば、この記事のアウトラインは関連キーワードで構成されています。すなわち、関連キーワードで構成を立てることは、コンテンツの構成を立てることといえます。
有料キーワードツールで関連キーワードを調べる
Ahrefs や SEMrush などの有料キーワードツールは、上位表示しているコンテンツがオーガニック検索結果上位100位以内にどのようなキーワードでランキングしているかを調べられます。
- Ahrefs のキーワードエクスプローラーでメインキーワードを検索する。
- ダッシュボード下部の ”SERP overview” で表示している上位表示ページのデータ項目から ”Keywords” をクリックする。
- 当該コンテンツが、検索結果上位100位以内にランキングしている関連キーワードのリストが表示される。次の ”iPhone” の例では、トップページは1万以上のキーワードでランキングしています。
なお、SEMrush ”オーガニック検索分析” でも同様のプロセスで検索上位ページがランキングしているキーワードを検索できます。
Google キーワードプランナーで関連キーワードを調べる
キーワードリサーチで解説した GKPハックテクニックは、関連キーワードを探す方法として活用できます。
- メインキーワードを Google で検索する。
- 検索上位表示しているページの URL をコピーする。
- GKPハックの手順同様に、キーワードプランナーで URL を検索する。
- 検索結果から関連性が高いキーワードをリストアップする。
3-2. 内部対策を施す
SEO の内部対策は、コンテンツをユーザーと Google にわかりやすく伝えるために重要な施策です。ターゲットとなるキーワードがメインテーマであることを伝えるために最適化します。次は、キーワードに直接関連する施策を挙げています。
- キーワードをタイトルに使用する。
- キーワードを含んだ簡潔な URL にする。
- コンテンツのイントロダクションにキーワードを使用して、コンテンツのメインテーマを明らかにする。
- H1タグにメインキーワード、H2・H3タグに関連キーワードを使用して、コンテンツの構成を明確にする。
- その他の内部対策チェックリストはこちら。
SEO Tips:ユーザーが好むコンテンツのフォーマットを探す
検索ユーザーに検索結果でクリックされやすいフォーマットを探すことは、意外と見落とされている SEO テクニックの一つです。この場合フォーマットとは、ガイドやリストなどのコンテンツの形式を意味しています。具体的には、選定したキーワードの検索結果のトップページに、どんな種類のコンテンツが多いのか調査します。
たとえば、”パソコン おすすめ” というキーワードでの検索結果を見ると、ほとんどのページがリスト形式のコンテンツです。つまり、”パソコン おすすめ” というキーワードで検索するユーザーは、ひとつの具体的な製品ではなく複数のパソコンの比較対象記事を好む傾向にあります。
次のステップ
キーワードツールを利用したキーワードリサーチ方法、リストアップしたキーワードの選定方法、キーワードに最適化したコンテンツの作り方について解説しました。
次のステップは、このプロセスを実際に行うことだけでです。
宮 義明は、儲け学の運営者で宮行政書士事務所の代表です。儲け学は、海外の最新 SEO ・ウェブマーケティング戦略や、SEOツール「Smallsteps」を公開しているマーケティング情報サイトです。宮 義明は、マーケティング関連のウェブサイトを10年以上運営しており、そこで得た経験や情報を発信しています。著者情報の続きはこちら
Kaki says
とても参考になりました。
ただ、キーワードをどのくらい記事に入れればいいのか、関連キーワードがないと上位表示は難しいのかなど疑問になりました。
宮 義明 says
ありがとうございます!
> ただ、キーワードをどのくらい記事に入れればいいのか、関連キーワードがないと上位表示は難しいのかなど疑問になりました
キーワードの出現頻度は、基本的に考慮するべき要因ではありません。
また、たくさんの関連キーワードでトピックを構成すれば複数のキーワードでランキングされやすくなるので、メインキーワードの上位表示にも役立つ可能性が高くなるといえます。
Shika says
めちゃくちゃ面白かったです!
自分がこれまでいかにGKPを適当に使っていたかが分かりました。
一点分かりづらかったのが、検索意図によるキーワード選定の「興味・関心系キーワード」についてです。なんとなくは分かるような気がするのですが、もう少し例があると意味を捉えやすいように思います。「娯楽として消費するコンテンツを探す際のキーワード」という認識に落ち着きましたが、なんだかすこし腑に落ちません。。(例: 動画、画像、有名人ブログ、ゴシップ)
この点について詳細が知れるととても嬉しいです。
宮 義明 says
Shikaさん、ありがとうございます!
「興味・関心系キーワード」は、検索ユーザーが興味・関心を抱いているもののコンバージョンには結びつきづらいキーワードを意味しています。極端に言ってしまえば、ある商品・サービスに強い関心があるものの、それを購入する気はないユーザーが検索するキーワードです。
記事では、”めちゃイケ 無料 動画”を例にあげていますが、このキーワードで検索したユーザーは、めちゃイケに強い興味があるものの、DVDを購入する意思は低いといえます。そのため、こうしたキーワードでコンテンツを作成してもコンバージョンを得られる可能性が低いので注意が必要です。
Shika says
詳細をご説明いただきありがとうございます!興味・関心はあるけど購入意思が低いと思われるキーワードのことなんですね。すっきり腹落ちしました。
このような記事を世に出していただいて、感謝しかないです。
重ね重ねになりますが、まことにありがとうございます。
宮 義明 says
お役に立てて何よりです!
キーワード選定では、コンバージョンの可能性を一つの判断基準とすると優先度を判断しやすくなります!
numako says
はじめまして。非常に初歩的な質問でお恥ずかしいのですが…。
キーワードプランナーはGoogleの広告を利用していないと
検索ボリュームが実数で表示されない仕様だったかと思います。
この場合、Ahrefsでも代用できるものなのでしょうか。
教えていただければ幸いです。
宮 義明 says
numakoさん、こんにちは!
> この場合、Ahrefsでも代用できるものなのでしょうか。
Ahrefsのデータはキーワードプランナーよりも正確ですので、とてもおすすめのツールです。しかし、検索ボリュームのデータのみが必要ならば、キーワードプランナーは500円程度の少額を運用すればデータが表示されるので、Ahrefsの利用料金と比較すると安上がりともいえます。