メールはウェブマーケティングの心臓です。
あなたがどんな分野のブログを運営していたとしても、メールマーケティングはあなたのビジネスに力強いエネルギーを送り続けてくれます。
もしあなたが、サイト訪問者のメールアドレスを収集してメールでアプローチするシステムを導入していないのならば、あなたは最も効果的なマーケティング戦略を放棄しています。
そこで今回は、あなたが今すぐメールマーケティングを始めるべき8の理由を具体的なデータとともに解説します。リストビルディングの重要性を理解することがはじめの一歩です。
そもそもメールマーケティングとは?
この記事では、メールを使用したマーケティング活動のすべてをメールマーケティングと捉えています。つまり、リストビルディング、メールマガジン、ニュースレターといった基本的なものから、セグメントされた複雑なマーケティングオートメーションまでも含むということです。
1. ブログに安定したアクセスをもたらす
ブログ運営者が愛してやまないアクセスアップを最も確実に達成する方法は、次の2ステップだけです。
- ブログに新規投稿をする。
- ブログのメールアドレス登録者のリストに、コンテンツのお知らせのメールを送る。
コンテンツを投稿するたびにリストにお知らせメールをするだけで、あなたのブログは安定したアクセスを得ることができます。言い換えるならば、リストさえあれば継続的にリピートトラフィックを得続けることができるのです。
とてもシンプルに考えてみてください。あなたは5,000人のメルマガ登録者のリストをもっています。
- 新規投稿のお知らせをリストに送信する。
- リストの約3%が記事のURLをクリックする。
- 5,000人×3%=150人を記事に誘導することができる。
まさにこれこそが安定したアクセスです。150人が少ないと感じますか?1日に100人以上が訪れるブログは、ブログの上位10%以上に値するのに?
また、記事のURLのクリック率を3%と仮定して計算していますが、マーケティングサイトで有名なQuick Sproutはブログ全体のトラフィックの16.25%がメール経由です。つまり反応率の良いリストを構築するほど、トラフィックの増加を期待できるということです。(SEOよりも確実に。)
さらに、リスト登録者はそれ以外のサイト訪問者よりも、ソーシャルメディアでコンテンツをシェアする可能性が3倍以上です。つまり、登録者はあなたのコンテンツをプロモーションしてくれる心強い応援団でもあるのです。
2. 商品・サービスの売上を増加させる
アメリカのB2B、B2Cの企業の82%はメールマーケティングツールを利用しています。
AmazonやGMなどのコンサルティングを行っているNeil Patel氏は、メールマーケティングについて次のように述べています。
私がマーケッターとしてテストしたすべてのチャネルの中で、メールは常に優れている。
SNSとの比較でもメールは新規顧客の獲得に圧倒的に効果的です。マッキンゼーによると、メールは新規顧客の獲得に関してFacebookやTwitterの40倍以上効果的です。
たとえば、私たちはAmazonから定期的に商品に関するメールを受け取っています。このシステムによって、会員登録からセールスまでを自動化しています。
またAmazonからは、ターゲットごとにパーソナライズしたメールを送ることの重要性を学ぶことができます。Amazonのメールは、新商品やセールのお知らせだけでなく、あなたのサイト内行動や購買履歴などに基づいたおすすめ商品などの情報を含んでいます。
なぜなら、ターゲットごとにパーソナライズしたメールを送ることで、クリック率やコンバージョン(購買)を増加させることができるからです。(ネットショップ運営者はもちろん実践してますよね?)
- パーソナライズされたメールは、クリック率が14%、コンバージョン率が10%増加する。(Source:Aberdeen Group)
- メールの件名がパーソナライズされたメールは、開封率が26%増加する。(Source:Experian)
- セグメントされたメールキャンペーンは、収益を760%増加させる。(Source:DMA)
なお、あなたが現時点で商品やサービスを販売していなくてもリストの重要性が失われるわけではありません。なぜなら、リストを構築しておけばいつでも商品開発と同時にセールスを始めることができるからです。
3. ラッキーを資産に変えられる
ブログを運営している中で、誰でも一度は”お祭り”を経験します。主要メディアにピックアップされたり、インフルエンサーにシェアされたことなどによって、普段の何倍ものサイト訪問者があるラッキーな状態です。
この時、サイトに訪問者のメールアドレスを獲得するための仕組みを構築していないのならば、それは1日~2日間のお祭り気分を味わわせてくれるだけのものです。数日後には以前の水準に戻っているでしょう。
しかし、サイトにリスト収集の仕組みを構築しているのならば、このラッキーは大きな資産を獲得するチャンスとなります。次のフォームは、儲け学のサイト離脱時に表示させているポップアップの1つです。
たとえば、あなたのサイト全体のコンバージョンが2%だとします。100人のサイト訪問者があれば、100人×2%=2人がリストに登録してる状態です。
そこに、10,000人という訪問者のビッグウェーブが来ました!
そうすると、10,000人×2%=200人の登録者を獲得することができます。この200人は今後もあなたのコンテンツを見てくれるだけでなく、SNSでシェアをしてくれる可能性の高いユーザーであることは前述の通りです。
つまり、リスト収集のシステムがあることで、偶然の幸運を確実な資産に変えるチャンスを捕まえることができるのです。あなたはこのチャンスを何度逃していますか?
4. 顧客や見込み客とのコミュニケーション手段になる
WordPressプラグインとして有名なSumoMeを運営するNoah Kagan氏は、メールマーケティングについて次のように述べています
メールは、新規顧客へのセールスや顧客との関係を深めることに最も効果的な方法です。
彼が運営するAppSumo.comのメールアドレス登録者数は70万人以上で、収益の90%はメールからもたらされています。
では、メールによるコミュニケーションは何が優れているのでしょうか?
まず、信頼を構築する過程で情報を収集できる点があります。メールでやり取りを重ねることは、登録者からのエンゲージメントを高めることに役立ちます。これは単純接触効果といわれ、繰り返し接触すると印象が良くなることを期待しています。
また、こうしたコミュニケーションの過程で登録者が抱えている問題を理解することで、あなたのコンテンツや商品開発にとって貴重な情報を得ることができます。(自然と市場調査になる。)顧客が抱えている問題を解決するサービスを提供できれば、利用してもらえる可能性が高いからです。
そして2つ目は、メッセージの配信到達度の高さです。メールは登録者が閲覧するまでは”未読”の状態です。しかし、SNSへの投稿は時間の経過とともに消え去ってしまいます。
つまり、メールによるメッセージの到達率は、SNSと比較すると圧倒的に高いのです。Radicatiによると、メールはFacebookの5倍以上閲覧される可能性が高く、Twitterの6倍以上クリックされる可能性が高くなります。
またB2Bマーケティングでも有用性に変わりはなく、B2Bマーケッターの81%がコンテンツマーケティング戦略としてニュースレターを活用しています。
5. あなたのビジネスの保険になる
突然 Google でウェブサイトの検索順位が急落する。
想像もしたくない悲劇ですが、誰にでも起こりうる可能性があることは事実です。Googleは200以上のアルゴリズムを日々更新しており、知らず知らずのうちにペンギンやパンダの餌食になりうるのです。(ペンギンアップデート4.0の影響はありましたか?)
しかし、あなたのサイトがGoogleに抹殺されようとも、あなたはビジネスをあきらめるわけにはいきません。そんな時に大きな保険となるのがリストの存在です。
たとえ検索エンジンからのトラフィックを失ったとしても、リストがあればダイレクトマーケティングも、ブログのプロモーションも継続できるからです。つまり、ビジネス自体を存続させることができます。
さらにリストさえあれば、ペナルティを受けたサイトをリカバリーするのではなく、新しいサイトを作るという選択肢へのリスクが軽減します。なぜなら、新しいサイトといってもゼロからのスタートではなく、読者という貴重な資産を引き継ぐことができるからです。
あなたは生命保険や自動車保険に加入していますか?ブログにも生命保険をかけるべきだと思いませんか?
6. アフィリエイト収益を得られる
もしあなたが大規模な人数を抱えるリストをもっているのならば、他者の商品でアフィリエイト収益を得ることも可能です。たとえば、あなたの分野に関連する他社のツールが素晴らしい機能をもっていて、あなた自身がそのツールによって高い成果をあげることができたとしましょう。
あなたはリストという武器を片手に、そのツールの販売会社に次のようなジョイントベンチャーの提案をすることができます。
「私にはたくさんの読者がいます。私の読者にあなたの素晴らしいツールを紹介しませんか?もし私の読者があなたのツールを購入したら、収益の30%を私に支払うという契約はいかがですか?」
このジョイントベンチャーでアフィリエイト収益を得る方法は、ローンチ(AF)で有名なJeff Walker氏も著書の中で成功事例として紹介しています。信頼できる相手で信頼できる商品であれば、双方にとって大きなメリットがあるからです。
アフィリエイトと聞くと嫌悪感を抱く人が多いですが、読者にとって価値の高い商品を紹介することは決して悪いことではありません。なぜなら、効果的な商品を読者という仲間と共有することは、本来はとても素晴らしいことだからです。
7. モバイルからのトラフィックとコンバージョンが増加する
モバイルからのトラフィックとコンバージョンの獲得は、今後のウェブマーケティングの最重要テーマの1つです。なぜなら、2015年にモバイル端末によるGoogle検索がコンピューターによる検索を超え、2010年~2015年の期間にモバイル端末で開封されたメールが30%も増加しているからです。
データからはデスクトップでのメール閲覧が減少して、モバイルが急増していることがわかります。さらに、利用者の多いGoogleのGmailユーザーの75%は、モバイル端末でアカウントにアクセスしているというデータもあります。
またコンバージョンの観点からみると、スマートフォンでメールを閲覧してコンバージョンにまでいたる割合が44歳以下の年代でとても高くなっています。(メールの開封にいたってはデスクトップを上回っています。)
つまり、モバイルユーザーからのアクセスや売上を増加させるために、メールはとても効果的だということです。
そのため、スマートフォンやタブレットでも美しいレイアウトを維持することができるレスポンシブデザインのメールは必要不可欠です。レスポンシブデザインのメールは、モバイルユーザーのクリック率を15%増加させます。
8. コストパフォーマンスが高い
メールは、様々なチャネルと比較して最もROI(投資収益率)が高いマーケティング戦略です。VentureBeatによると、メールは1ドルの投資で38ドルを生み出します。
高いROIの要因には、追加投資の少なさがあります。1度メールアドレス獲得からセールスまでをステップメールで自動化してしまえば、基本的に追加投資の必要がないからです。
一方でTwitterやFacebookは、メールよりもコンバージョンが圧倒的に低いにも関わらず広告の出稿が必要不可欠です。もちろんSNSの広告出稿が間違っているわけではありませんが、予算が少ないスモールビジネスの場合はメールの活用を優先するべきです。
さらにマネジメントの観点からいえば、効果検証やデータ解析が簡単なことも魅力の1つです。主要なメールソフトウェアは次のようなデータを簡単に入手することができ、メールキャンペーンの効果をチェックできるからです。
- メールの到達率
- メールの開封率
- メール内のURLのクリック率
- メール経由のコンバージョン率
また、A/Bテストの機能をもっているツールを使用すれば、コンバージョンを改善することができます。スプリットテストを行うことでコンバージョンが49%も改善できるデータもあるほどですから、メールマーケティングの分析にA/Bテストは欠かすことができません。
ROIが高く効果検証が簡単なメールマーケティング戦略への投資は、ローリスクハイリターンな素晴らしい施策といえます。
はじめの一歩はリストビルディング
私が解説した8のメリットは、メールマーケティングに取り組むことを検討するきっかけになったでしょうか?
もしあなたがメルマガ登録者を集めることを決断したら、次のメルマガ登録者を増やす18の方法を参考にしてみてください。サイト訪問者のメールアドレスを収集するための基本テクニックをご紹介しています。
宮 義明は、儲け学の運営者で宮行政書士事務所の代表です。儲け学は、海外の最新 SEO ・ウェブマーケティング戦略や、SEOツール「Smallsteps」を公開しているマーケティング情報サイトです。宮 義明は、マーケティング関連のウェブサイトを10年以上運営しており、そこで得た経験や情報を発信しています。著者情報の続きはこちら
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