「サイトの表示スピードが遅い。」
「PageSpeed Insights のスコアが低い。」
「コア ウェブ バイタルを改善できない。」
もし、あなたの WordPress サイトがこのような問題を抱えているならば、この WP Rocket のレビューはうってつけです。
WP Rocket は、簡単な設定でサイトを高速化できる WordPress プラグインです。
私は、WordPress を10年以上使用しているので、様々なキャッシュ系プラグインを試してきました。そして、今のところ WP Rocket は、サイトの高速化というポイントにおいて最も成果を得ています。
このレビューでは、WP Rocket の機能や特徴を詳細に分析することで、あなたにとって必要なプラグインかどうかを判断する情報を提供します。
- WP Rocket とは?
- WP Rocket は本当にサイトを高速化できるのか?
- WP Rocket の長所と短所
- WP Rocket の特徴と設定
- WP Rocket の料金
- WP Rocket と無料キャッシュ系プラグインの比較
- WP Rocket レビューの最終的な結論
WP Rocket とは?
WP Rocket は、WordPress サイトのパフォーマンスを最適化するキャッシングプラグインです。
Google のランキング要因である PageSpeed Insights やコア ウェブ バイタルのスコアを向上できるので、SEO に役立つプラグインとして知られており、2021年10月段階で190万以上のウェブサイトで使用されています。
ページキャッシュの作成や、HTML、JavaScript、CSS ファイルの圧縮などをクリックだけで設定できるので、WordPress 初心者の方でも簡単にサイトを高速化できるのが大きな特徴です。
ちなみに、私は WP Rocket の公式サイトに推薦コメントを提供しています。
WordPress のキャッシングとは?
WP Rocket は、サイトを高速化するためにキャッシングを行うプラグインです。
キャッシングとは、使用頻度の高い出力データを保持しておくことによって高速なデータの参照を可能にする仕組みを指します。この保持されたデータはキャッシュ(Cache)と呼ばれます。
ユーザーがあなたのサイトのページにアクセスすると、サーバー、ソフトウェア、データベースの間でデータがやり取りされ、ユーザーからリクエストされたページが ”動的” に生成されます。このプロセスにかかる時間が、サイトの表示速度に影響を与えています。
そこでキャッシングの出番です。
キャッシングを使用すると、そのページの ”静的” なバージョンを生成します。ユーザーがページにアクセスするたびに動的に生成されるのではなく、静的なコンテンツが表示されるので、読み込みにかかる時間が短くなります。
WP Rocket は本当にサイトを高速化できるのか?
ウェブサイトに WP Rocket を導入すると、どのくらい高速化できるのか?
これは、必要性を判断するうえで最も重要なポイントです。
そこで、儲け学のコンテンツの PageSpeed Insights のスコアを、WP Rocket の導入前後で比較します。
まず、導入前のスコアです。
次に、導入後のスコアです。プラグインの導入以外に、一切変更を加えていません。
サイトスピードやコア ウェブ バイタルの改善によって、スコアが ”28” から ”92” に大幅に向上しています。
次に、3つの異なる種類・環境のウェブサイトに WP Rocket を導入して、サイトの速度の変化を計測した「WP Rocket Review – By How Much Can It Speed Up WordPress?」のデータです。
3つのサイト全てで表示速度が向上し、27% ~ 69% 改善しました。
このように、サイトの高速化、PageSpeed Insights ・ コア ウェブ バイタルのスコア向上に大きな期待ができることがわかります。
また、サイトスピードの最適化については、SEO プラグインとして有名な Yoast SEO の Michiel Heijmans も次のような推薦コメントをしています。
プラグインは頭痛の種ではなく、約束されたものを提供すべきです。品質にこだわる私たちは、WordPress ウェブサイトのスピード最適化を簡単に行える WP Rocket をお勧めします。
さらに、WP Rocket は、海外の大手レンタルサーバーの WP Engine が利用を唯一推奨するキャッシュ系プラグインでもあります。
WP Rocket は、WP Engine のお客様や、カンファレンスでのプレゼンテーションの際にお勧めする私のお気に入りのパフォーマンスプラグインです。WP Rocket の使いやすさと、すぐに得られるパフォーマンス効果は、他の人に勧めるには当然のことです。
WP Rocket の長所と短所
次は、日本人ユーザーの視点からみた WP Rocket の長所・短所です。
WP Rocket の長所
- クリックだけで設定が可能なので、技術的な知識がない初心者でも簡単に使いこなせる。
- Google PageSpeed Insights で指摘される項目に対する最適化を行っているので、スコアを向上できる。
- Google のランキング要因であるページスピードや、コア ウェブ バイタルを向上できる。
- キャッシュ、ファイルの最適化、プリロードなどを網羅しているので、サイトパフォーマンスの最適化のために、他のプラグインを利用する必要がなくなる。
- プラグインの機能、使い方、チュートリアル、トラブルシューティングを豊富なドキュメントや動画でサポートしている。
- アップデートの更新頻度が高いので、バグ修正や WordPress のアップデートへの対応が早い。
WP Rocket の短所
- サイトデザインへの影響など、全てのキャッシュ系プラグインが潜在的にもっているトラブルの可能性は否定できない。
- WP Rocket のウェブサイトのトップページ、料金ページ、決済ページは日本語対応しているが、その他のページは英語表記。(WP Rocket を運営する企業に日本語ページの作成を提案して、いくつかのページを日本語対応にしていただきました。)
- プラグインの設定項目は、全て英語表記。(2021年10月現在、日本語対応を準備中。)
- プラグインの使い方や、トラブル時の対応方法などをドキュメントや動画でサポートしているが、全て英語表記。
- オンラインサポートは、英語でのやり取りが基本。
- 14日間の返金保証はあるが、無料トライアルや無料バージョンはない。
WP Rocket の特徴と設定
WP Rocket には、ウェブサイトのパフォーマンスを簡単に最適化できる便利な機能が備わっています。次は、目玉となる機能です。
1. ダッシュボード
管理画面のトップページであるダッシュボードには、アカウント情報、チュートリアル動画へのリンク、キャッシュやプリロードの実行ボタンがあります。
ちなみに、プラグインをインストールして有効化した時点で、自動的に80%の設定が完了しています。そのため、デフォルトの設定だけでもパフォーマンスの向上を期待できます。
2. ページキャッシング
ページキャッシングは、WP Rocket の最も基本的な機能です。モバイルデバイスのキャッシュ、ログインユーザーに対するキャッシュの有効・無効、キャッシュの有効期限などを設定できます。
また、ログインページや、EC サイトのショッピングカートなどのキャッシュしてはいけないページを自動的にキャッシュから除外しますが、キャッシュしたくない URL を直接指定することも可能です。
その他、特定のブラウザやユーザーエージェントに、キャッシュされたコンテンツを見せないように設定もできます。
さらに、Preload(プリロード)を有効にすると、指定したサイトマップに沿ってキャッシュをあらかじめ作成することができます。儲け学は、Yoast SEO でサイトマップを生成しているので、自動的に Yoast SEO が表示されています。
プリロードは、コンテンツを追加・更新した際に自動的に行われますが、ダッシュボードメニューから手動で行うこともできます。
3. CSS、JavaScript ファイルの最適化
CSS や JavaScript のファイルを軽量化することで、初期ロード時間を短縮することができます。キャシングと同様に、根幹となる機能です。
CSS ファイルを最小化して、配信を最適化できます。
JavaScript のファイルは最小化だけでなく、JavaScript ファイルの実行をユーザーのクリックやスクロールの操作をするまで遅らせて、初期ロード時間を短縮することができます。
こうした JavaScript ファイルの遅延は、コア ウェブ バイタルの LCP や FID の向上に役立ちます。
4. メディアの最適化
ページの読み込みに時間がかかる画像、動画、iframe などのメディアを最適化するために、LazyLoad 機能があります。
LazyLoad とは、ユーザーがページをスクロールするまで、画像や YouTube の動画の読み込みと表示を遅らせることができる機能です。全てのメディアを一度に読み込まないので、速度の低下を防ぐことができます。
その他、WebP 画像を使用している場合に、キャッシュファイルを作成することもできます。WebP は、圧縮率の高い SEO に適した次世代画像フォーマットです。
WebPは、米Googleが開発しているオープンな静止画像フォーマット。ファイルの拡張子は「webp」。
また、WP Rocket は、IMAGIFY という画像圧縮プラグインを提供しています。EWWW Image Optimizer のようなプラグインと同様に、WordPress にアップロードした画像を自動的に圧縮して軽量化します。
5. データベースの最適化
WordPress のデータベースは、時を重ねるごとにサイトの速度低下の原因となる可能性があります。
そのため、スケジュールに応じて(毎日、毎週、毎月)データベースの最適化やクリーンアップを行います。クリーンなデータベースは、サイトの高速化につながります。
その他、リビジョン、下書き、ゴミ箱の記事、スパムコメントなどを削除することができます。
6. CDN 対応
WP Rocket は、主要なコンテンツ・デリバリー・ネットワーク(CDN)プロバイダと互換性があるので、簡単に統合することができます。
CDN は、日本だけでなく世界に向けてコンテンツを発信している場合、読み込み時間を改善することに役立ちます。
コンテンツデリバリネットワーク(英語: content delivery network、CDN)とは、ウェブコンテンツをインターネット経由で配信するために最適化されたネットワークのことである。コンテンツ配信網とも呼ばれる。
また、RocketCDN という独自の CDN サービスも提供しているので、まだ CDN を利用していない場合は、プラグインと相性の良い選択肢になります。
7. Heartbeat の最適化
WordPress には、Heartbeat API というブラウザとサーバー間の接続を維持するための機能があります。ブラウザから Heartbeat API へのリクエストは、ダッシュボードや投稿編集画面などからも行われています。
そのため、状況によっては、過度な Heartbeat API へのリクエストによって、サーバーに負荷をかけてしまう可能性があります。そうした状況を防ぐために、Heartbeat API のアクティビティを減らすことができます。
8. チュートリアル
チュートリアルでは、WP Rocket の使い方に関する動画が掲載されています。英語音声・字幕の動画ですが、とてもわかりやすい内容になっています。
ビデオでは、基本的な使い方だけでなく、プラグインがどのように動作し、どのような影響を与えるのかを理解することができます。
その他
- eコマースの最適化 ― eコマースサイトのカート、決済、アカウント情報などの機密性の高いページをキャッシュから自動的に除外します。Woocomerce、Easy Digital Download、iThemes Exchange、Jigoshop、WP-Shop などのeコマースプラグインと互換性があります。
- ホスティングサーバーの互換性 ― WP Rocket は、WordPress のホスティングサーバーとして有名な WP Engine と互換性があります。また、WordPress テーマを提供している Elegant Themes とも相性が良いです。ちなみ、儲け学は、エックスサーバー で運用して、StudioPress のテーマを使用していますが、トラブルなく使用できています。
- サポート体制 ― プラグインに関する質問がある場合、ドキュメント、ビデオチュートリアル、ユーザー間でやり取りできる Facebook グループが用意されています。
WP Rocket の料金
WP Rocket には、3つの料金プランがあります。
- Single ― 49ドルで1年間のサポートとアップデートを、1つのウェブサイトで利用できます。
- Plus ― 99ドルで1年間のサポートとアップデートを、3つのウェブサイトで利用できます。
- Infinite ― 249ドルで1年間のサポートとアップデートを、ウェブサイトの数に制限なしで利用できます。
全てのプランのライセンスは、1年契約です。ライセンス契約が切れても動作はしますが、プラグインのアップデートを受けられなくなります。
また、14日間の返金保証制度もあるので、実際に試してみてどのような成果を得られるのか確認することができます。
WP Rocket は、年間49ドル。Ahrefs は、年間984ドル。SEOツールの料金設定は幅広です。 ツイートするWP Rocket と無料キャッシュ系プラグインの比較
「わざわざお金を払わなくても、無料のキャッシュ系プラグインではダメなの?」
このような疑問を抱いた方も多いはずです。
WP Rocket は、そのような疑問に答えるために、WP Rocket と無料キャッシュ系プラグインの比較資料を提供しています。
例えば WP Rocket と、利用者の多い W3 Total Cache との比較です。
次は、違いが明確なポイントです。
- 設定
- WP Rocket ― 設定が簡単で早い。プラグインを有効化した時点で80%の設定が完了している。
- W3 Total Cache ― 設定ページが16ページある。適切な設定のために、技術的な知識が必要。
- パフォーマンス
- WP Rocket ― 99%のサーバーと互換性がある。
- W3 Total Cache ― Kinsta、WP Engine といった有名サーバーでの利用を禁止されている。(サーバーとの相性の良し悪しがある。)
- サポート
- WP Rocket ― テクニカルサポートがライセンスに含まれている。
- W3 Total Cache ― サポートを受けたい場合は、年間99ドルの有料プランに加入する必要がある。
- 料金
- WP Rocket ― 年間49ドルから利用できる。
- W3 Total Cache ― 基本プランは無料。しかし、全てのオプションを利用するためには、年間99ドルのプランに加入する必要がある。
WP Rocket レビューの最終的な結論
WP Rocket の特徴や、長所・短所などを踏まえて、最後に私のレビューの最終的な結論です。
WP Rocket を導入することで得られる成果は?
ウェブサイトの高速表示やコア ウェブ バイタルの改善。さらに、それらによって SEO の向上、ユーザーの離脱率の改善、コンバージョン率の増加を期待できます。
実際に使用したみた満足度は?
私は、儲け学の PageSpeed Insights やコア ウェブ バイタルのスコア改善の目的で WP Rocket を利用しました。結果は前述のように、スコアが劇的に向上したので、購入したことに非常に満足しています。
また、複雑な作業の必要がなく、クリックだけで設定できたことも高い満足度につながっています。
WP Rocket はどのようなサイトに最適か?
WP Rocket は、Google のランキング要因であるページスピードや、コア ウェブ バイタルの改善を期待できるので、SEO の向上を目指す全ての種類のサイトにとって有益です。
また、ページ表示速度は、遅ければ遅いほどユーザーの離脱やコンバージョン率の低下につながります。そのため、eコマースの要素をもったサイトは、高速化によって収益の増加を期待できます。
WP Rocket はどのようなサイトに必要ないか?
ウェブサイトが、ページスピードやコア ウェブ バイタルの問題を抱えていない場合、SEO の観点からみると導入の必要性は低くなります。
ただし、ECサイトなどは、前述のようにページスピードが早いほどコンバージョン率に好影響を与えるので、検討する余地があります。
英語が苦手でも設定はできるか?
設定に関する英語はとても簡単ですが、苦手意識がある人にとっては面倒に感じる可能性があります。ただし、設定方法を日本語で解説したコンテンツを公開しているサイトは複数あるので、わからない項目については Google 検索をすれば回答を得られます。
また、2021年10月段階で日本語対応を準備中ですので、いずれ日本語での設定が可能になります。
料金に見合った価値があるか?
WP Rocket は、1サイトで年間49ドルで利用できます。単純計算で1ヶ月約4ドルです。つまり、1ヶ月約450円で、SEO とコンバージョンの向上を期待できる SEO ツールに投資することが、あなたのにとって価値があるかどうかを判断することになります。
私は、得られる成果に対してお手頃な料金だと考えています。ちなみに、利用者の多い無料キャッシュ系プラグインの W3 Total Cache の有料プランは、WP Rocket の2倍以上の年間99ドルです。
以上が私の最終的な WP Rocket のレビューです。
なお、WP Rocket は、購入から14日間の返金保証制度があるので、実際に試してみて判断するという選択肢をとることができます。
宮 義明は、儲け学の運営者で宮行政書士事務所の代表です。儲け学は、海外の最新 SEO ・ウェブマーケティング戦略や、SEOツール「Smallsteps」を公開しているマーケティング情報サイトです。宮 義明は、マーケティング関連のウェブサイトを10年以上運営しており、そこで得た経験や情報を発信しています。著者情報の続きはこちら
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